柴崎「帆利川」バトンパス
筆者(カリスマジュンヤ)は悩んでた。
東京に来て早2年半。
渋谷区幡ヶ谷という街に住んでいるのだが
京王線沿いには、呑み街はおろか…
名店、せんべろ店、deep酒場というものをほとんど知らない。
代田橋の沖縄タウン、下高井戸の呑み屋街は行ったことあるのだが
また行きたいなぁとは思えるくらいパンチのある呑み屋に出会わなかった・・・。
京王線笹塚~調布にかけて、そんなありがたい店をみつけたいとずっと願ってたのだ。
そんな悩める筆者に嬉しい情報が舞い込んできたのだ!
場所は京王線柴崎駅から徒歩数分のところにヤバイ立ち飲み屋があるとの事だ。
柴崎駅!?
と思ったが新宿方面へ調布の3つ手前の駅だ。
なんでもウーロンハイが150円で呑める立ち飲み屋との事だ!
柴崎という街は訪れた事がなかったので、早速未知の街の未知の立ち飲み屋へ行くことにした。
勿論足取りはいつも以上にウキウキだ。
しかしここで大事なのは“あまりハードルをあげすぎない”こと。
いくらウーロンハイが150円で呑める店と行っても、今では100円台でビールが呑める店も沢山ある。
それに聞いたこともない店なので
やっぱりそれほどのものかも知れない。
食べログなどのネット上での情報もほぼなかった・・・。
しかしそれがなぜか逆にウキウキへと変わったのだ。
思ったより早く柴崎という街へついた。
さぁ~その店はどこにあるのかなぁ~
とスマホのマップで探そうとしたら…
大きくて立派な看板にデカデカとかかれた店名で
一発でわかったのだ。
何と読むのか!?
そのまま「ほりかわ」と読むみたいだ。
こんな「ほりかわ」はじめてだ。
地元の常連客さんたちで賑わってる雰囲気で1人で入るのには、少し緊張したが
【酒場ナビ】の看板を背負ってる以上、こんなところでビビるわけにはいかない。
店内はカウンターのみで
10人…詰めれば12人くらいいける感じだ。
しかし店内は猛烈に暑苦しい・・・。
どうやらエアコンは無いみたいで、扇風機のみのようだ。
だからドアが開けっぱなしだったのか。
メニューはなく店員の兄さんが口頭で
「ビールは○○円で、日本酒は○○円で…ウーロンハイなどの焼酎類は150円になります。どうされますか?」
噂は本当だった。
最初から150円のウーロンハイのことしか考えてなかったので、ビールと日本酒の値段は忘れた。(というか聞いてなかった。)
前調べで知ってたくせに
「え〜〜ウーロンハイ150円なんですか〜!!!」
ってびっくりする一人ショートコントも演じといた。
ドヤ顏になってた兄さんの表情を見ると、演じといてよかったと思えた。
そして勿論迷わず、ウーロンハイをチョイス。
キャッシュオンスタイルで
お金を入れる器は・・・何かのビンの蓋だ。
ウーロンハイを呑みながら、店内を舐めるように見渡す。
サインなどもあって有名人の方も来られてたみたいだ。
こんなものもあった。
週刊実話連載の【売れっ子芸人の下積みメシ】で『スリムクラブ』の内間さんが売れない時代によくこの帆利川に来られてたという記事だ。
話を要約すると・・・
お金はないがお酒は呑みたかったという内間さんが当時柴崎に住んでて、この帆利川なら1000円あればベロベロになれたから、よく通ってたという話だ。
・・・
なんだか内間さんの事が物凄く好きになった。
小腹が空いたので、料理を注文したいのだが・・・
メニューが無いから、何が頼めるかわからない。
聞いてみるとショーケースにあるものを選べるみたいだ。
今日は土曜日ということもあったのと、時間も遅かったせいでほとんど料理は残ってなかった。
客層のほとんどが仕事終わりのサラリーマンなので、平日は大体毎日満席みたいで、料理も充実してるとの事だ。
ギリギリ残ってた「アジの南蛮漬け」があったので戴いた。
う、美味いっ!!!
小アジじゃなくて普通サイズのアジをそのまま揚げたアジは想像を超える美味さだった。
アジの南蛮漬けってこんなに美味しかったっけ?と思うくらいだった。
しかもこれが250円というものだから、ダブルびっくり!
150円のウーロンハイと合わしても400円なのだ。
この安さは地元の人に愛される理由も分かる。
隣の方が頼んでた「玉子焼き」も美味しそうだったんで、つられて頼んでみる事にした。
卵3、4個使ってるんじゃないかって位、しっかりとした玉子焼きだ。
一人で食べるのでは少し大きいのではないかってくらいのサイズであろうか。
しっかり出汁が効いてて、この大きさでも余裕で一人で食べれるくらい美味しかった。
しかもこれで150円っていう安さ・・・。
この店正真正銘の”せんべろ店”であることは間違いなさそうだ!
1000円あれば相当遊べる店なので、もし近所にあったらすぐ寄り道しちゃいそうだ!
女将さんから帆利川の色んな情報を聞き出してると、元々は小料理屋として営業されてたみたいなので料理には自信アリ!と言った所か。
今度は平日の料理が充実してる時にも来てみよう。
この店奥の謎の座敷スペースも小料理屋時代に使われてたのであろう。
そしてこの女将さん、また会話が上手で話してて楽しかった。
帆利川が地元の方に愛されるのは、この女将さんの存在も大いにあるであろう。
そんな感じで美味しい料理を舌鼓し、安いウーロンハイを何度もおかわりして楽しい時間を過ごしてた矢先に・・・
事件は勃発した!!!
一人のおじいさんが入店し、筆者の横に来られたのだ。
ホームレスに近いちょっと小汚いおじいさん…
いや、近所に住んでるおじいさんのようなギリギリホームレス…
なんだか表現しにくいが
言わば「アマチュアのホームレス」と言ったところか・・・。
そんなおじいさんだった。
そのおじいさんは開口一番に「ウーロンハイっ!」と告げたのだ。
あの感じ頼み方は恐らく常連さんであろう。
出されたウーロンハイを一気に飲み干した。
よっぽど喉が渇いてたんだろうなぁ〜って見ていたら・・・
「じゃあまた明日〜!!」と言い放ち、そのまま帰って行ったのだっ!!!
その時間わずか数分の出来事!
いや、もしかすると滞在時間1分を切っていたかもしれない・・・。
完全にコンビニ感覚だ。
最近チェーン店で流行ってる「ちょい呑み」なんて言葉があるが、今後「コンビニ呑み」という呑み方が流行るかも知れないと筆者は密かに感じた・・・。
あまりの早さにびっくりしてたら、女将さんが
「あの人は毎日来て、絶対に1杯か2杯しか呑まないよ。」と教えてくれたのだ。
そんな粋すぎるおじいさん・・・
ホームレスと勘違いしてごめんなさいね。
ちょっとしたプチ騒動もあり・・・
とにかく女将さんのパワフルとウーロンハイの安さと偽ホームレスのおじいさんによる「コンビニ呑み」にびっくりした夜でした!
これからもこの店通うんで・・・
もし筆者が売れた時、【下積みメシ】という取材が来たら
この【帆利川】を紹介させてくださいね!!!
ちなみに・・・
勝手に女将さんと兄さんは親子だと思ってましたが、祖母と孫の関係らしいです。
女将さん若いなぁ〜!
こうしてお店は引き継がれるんですね。
「いつまでも続いて欲しいバトンパス」
『カリスマジュンヤの酒場放浪記』
~帆利川~編 (完)
帆利川(ほりかわ)
住所: | 東京都調布市菊野台1-17-5 |
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TEL: | 042-487-1044 |
営業時間: | 16時~23時 |
定休日: | 日曜 |