方南町「一心太助」退化と進化は紙一重?
先日味論が高円寺「民生食堂 天平」の【リライト】記事をというもの公開していた。
内容はめちゃくちゃ簡単に言うと
4年以上前、酒場ナビ初投稿の記事が自分的に全くダメだったから書き直してみたというものだ。
自分で記事を書いてる方なら、共感できると思うが
ボクも何度も自分の記事を見直して
「うわぁ~これダメダメやなぁ~」「ダラダラ書いてるなぁ~」「オチが弱いなぁ~」なんて思った事は数知れず・・・
せっかくなのでボクも今回リライト記事を書こうと思う。
方南町のラスボス的酒場
「一心太助」
この酒場の記事は2016年7月27日に投稿している。
高円寺「民生食堂 天平」と同様に4年以上前で
初期の頃に書いたものだ。
あれ以降今でも「一心太助」は定期的に通っている。
この酒場の良さはいくつもあるが
まずはやっぱりこの素敵なネオンが強調されてる店構えだ。
『東京三大店構え』にピックアップされても良いくらいカッコいい外観である。
華麗に〔暖簾引き〕を敢行し、いざライドオン。
この日も相変わらず満席状態で
最初は断られそうになったが、マスターが「特等席が空いてるからそこ座んな」と奥の席を案内してくれた。
厨房の前のテーブル席
何度も「一心太助」に来ているが
この席で呑むのは初めてだ。
厨房で働くマスターが見れるこの店一番の特等席である。
早速濃い目のホッピーをいただき、酒ゴング。
マスターがこの席を特等席という最大の理由は
常連さんしか案内しないとの事だ。
苦節4年・・・
ついにボクもマスターに認められたという事なのだ。
相席状態で皆さん、仲良く呑まれてらっしゃる。
ボクも自然と常連さんとの会話に入る事が出来た。
雑に盛られたお通しをつつきながら常連さんと呑んでると
マスターが
「おい、若いの!ほれお通しもう一個やるよ!」
とボクに2個目のお通しをくれた。
「いや、マスターこれさっき帰った人のお通しでしょ!!」
「いいんだよ!そんな事!捨てるの勿体ないだろ!」
「・・・ありがとうございます!!」
「手つけてないと思うから大丈夫だよ!」
相変わらずマスターは絶好調だ。
ボクもこの勢いに負けてられない。
ここでのこういった”事件”はいくつもある。
例えば、初めてボクがここへ来た時
注文した豚キムチに火が通ってなくて
そのお詫びという事でコンビニのおにぎりを貰ったのだ。
なんでコンビニのおにぎり!?
って当時ガッツリ笑わせてもらった思い出。
しかも変わり際には
マスターから「手土産やるよ」と頂いたものが
まさかのファミマの焼きそばとおにぎり・・・(笑)
多分あとにも先にも
飲食店でコンビニのおにぎりを2回も貰うのは人生でここだけだろう。
これだけにとどまらず色んな楽しい思い出はある。
はじめて訪れた時に衝撃を受けたメニュー表も
今なお現役バリバリだ。
あまりのボロさに『安さ』がちょっと薄れてしまうくらい・・・
下の方の恐らくサラダゾーンの部分に関してはツナサラダくらいしか読めない・・・
っていうか今呑んでるホッピーって300円やったんや・・・
何度来てもこの安さ加減と”バカさ加減”に慣れない・・・
本日のオススメメニューに関しては
『安さ』より、マスターの字の癖が気になってしまう・・・
300円でカキフライやあなご天が食べれるってマジか・・・
恐らく「くじら刺身」と書きたかったであろう
「くじろ刺身」と「くじつ刺身」の字の癖が際立つ・・・
そして何故2回も書いたんだ!?
ほんでよく考えたら、くじらも300円で食べれるんかいな!?!?
大体ここへ来ると
いつも戸惑ってしまい、注文するのに時間がかかってしまう。
そんな戸惑うボクを
「温レバ刺し」というメニュー短冊がボクをみてあざ笑っている。
ツッコミどころが多すぎる。
結局ボクは
ここへ来たら、大体の確率で注文する「刺身3種盛り」に逃げてしまう。
6種盛られた3種盛りにびっくりしなくなってしまうあたりが
もう感覚麻痺してるのであろう。
勿論これも300円。
ちなみにこれまでのMaxで8種盛られた「刺身3種盛り」の日もあったなぁ~・・・
本日のオススメの
「エビフライ」
エビフライ4本にじゃがフライも添えられて
これまた300円。
正直一人で呑むなら
お通しとこのエビフライで量的には充分だ。
「自家製ハンバーグ」
マスター手作りの大きめのハンバーグも2つで300円・・・
「これ採算あうん?」
って心配も
もう無くなってしまってる自分が居る・・・
「もう帰るわよ~」
「もう一杯だけ呑むぞ~」
相席のご夫婦さんは結構酔ってらっしゃる。
「今日何時から呑んでるんですか?」
面白そうな話が聞けそうだったから話しかけてみた。
「今日はね~朝9時から家で呑んで~この店に昼過ぎに来て呑んでるわ〜」
「え?ここオープン17時ちゃうんすか!?」
「マスターと仲良いから仕込みの時間から呑ませてもらってるんだ。」
「じゃあ私たちはお先に失礼します。マスター!お会計お願い!」
「え~~と・・・2人で1000円!」
「どういう計算っ!?!?!?」
ボクは割とデカめのボリュームで突っ込んでしまった。
自然に出たシンプルかつ的確なツッコミ。
「声の大きさ」、「ワードセンス」、「間」
我ながらナイスなツッコミであったであろう。
しかしこれはボケではなく
本当の金額だったからびっくり。
昼過ぎからこの時間まで呑んで、2人で1000円って・・・
言葉失いますわ。
「本当に安すぎますね~(笑)」
次は隣の人の好さそうな常連さんが話しかけてくれた。
「先輩、たばこ素敵ですね」
もう吸ってる人をほとんどみかけなくなったタバコを指さすと・・・
「普段はタバコ吸わないんですよ。けどここへ来るとこのタバコが吸いたくなるんです。」
「オシャレな理由ですね!」
「この店外観は昭和風でしょう?でも店内はまだ昭和そのものなんです」
先輩がさらっと名言をくれた。
ボクは入店直後から狙ってたメニューをマスターに注文することにした。
「うなぎ皿(600円)」
恐らくこの店最高価格のメニューだ。
そのメニューをマスターに告げた時、テーブルがざわついた。
厨房からマスターが直接ボクの席に「うなぎ皿」を運んできてくれた。
「ちょっとサービスしといたよ。」
600円でうなぎが食べれる事自体、すごいのにまだサービスをしてくれるというのか・・・
そして何をサービスしてくれたのか?
「うなぎめくってみな?」
言われた通りに立派なうなぎをめくってみると・・・
お、お好み焼きっ!?
どういう事っ!?!?
「マスター!うなぎとお好み焼きってどういう組み合わせなんすかっ!?」
「あんた、関西の子だろ?だからご飯じゃなくて、お好み焼きをサービスしたんだよ!」
「マスター・・・ご飯が良かったっす・・・」
「良いから喰ってみなよ!うまいからさぁ~」
言われた通り、うなぎとお好み焼きを一緒に食べてみた。
う、うん?
美味しい・・・
どう説明していいか分からないが
美味しい・・・
不思議な組み合わせが
意外とマッチしている。
「うなぎとお好み焼きって合うんですね」
「まぁ正直にいうと、ご飯がなくてお好み焼きが残ってたからこの組み合わせにしただけなんだけどね」
「マスター、さすがっす」
「でも案外イケるだろ?」
ぶっ飛んでるマスターがカッコイイ・・・
一仕事を終えたマスターは我々のテーブルに座って、色々有り難い話をしてくれた。
「さっきのうなぎなんだけどよ、うなぎは刻んでお好み焼きにすれば美味しいんだぜ」
「今も厨房は一人なんだけど、昔は一人で150人の客をさばいた事があるよ」
「この店のバイトは自給が2000円なんだ。だからシフトの取り合いでバイト募集なんてした事ねぇよ」
「ちなみに今はもうバイトを上がらしたから、人件費削減出来てるし、ドリンクは200円でいいよ」
人件費がかかってないという理由で
ただでさえ安いアルコール類を200円にしてくれるマスター・・・
もう頭上がんないっす。
マスターは現在73歳
身体が動く限り、まだまだ現役バリバリでいくそうです。
ボクも負けじと
マスターみたいにパワフルに生きたいです。
という訳で
4年ぶりに改めて記事を書いたわけなんですが
どうでしょうか。
ボクとしては手応えありなんですが
4年後この記事を見ると
また「あ~~この書き方は違うな~」ってなるんでしょうね。
でもそれで良いと思います。
生物は進化という変化を遂げて、成長していくのです。
記事の書き方は変わったものの
結局ボクも一心太助も本質は4年前と全く変わっていないなぁ。
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一心太助(いっしんたすけ)
住所: | 東京都杉並区方南2-12-27 |
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営業時間: | 17:00頃~23:00 |
定休日: | 日曜日 |