天王寺「巴うどん」かすうどんとビリヤードとダーツとライブと日本酒と・・・結局ここは何屋さんっ!?!?
『酒場ナビ』ではこれまでディープな酒場を紹介してきて、もうすぐで5年の月日が経つ。
それはそれは色んな酒場に出逢ってきましたよ・・・
釣り堀が併設してたり
このご時世にまだ女人禁制だったり
ライブが出来る角打ちだったり
日本全国、ヤバい酒場はまだまだ沢山ある。
そして今回・・・
「ビリヤードが出来る酒場がある」
という情報が舞い込んで来た。
場所は大阪天王寺・・・
この時大阪に居たので、すぐにでもいける。
このタイミングでスルーしたならば、確実に〔酒場の神様〕にバチが当たる・・・
二日酔いのお昼前
ボクは早速その店へ向かった。
「巴うどん」
割と駅近にあるディープな酒場。
事前に電話すると「もう営業してますよ!」との事だったので来てみると、まだ暖簾が出てなくて確実にまだオープンしてない状況・・・
な、なんで?
店前には、ボクより先に並んでた先輩が1名いらっしゃったので聞いてみる事にした。
「すみません、ここってまだ開いてないですよね?」
「・・・え?」
「え、お兄さん並んでますよね?」
「いや、並んどるというか気になってただけやで」
「あ!はじめてなんですかっ!?」
「うん、気になって見てただけ」
天王寺には沢山の飲食店があるなか、あえてここが気になってしまった先輩・・・
あなた、酒場ナビやってみませんか?
独特の雰囲気を放つ先輩の為にも、ボクが先陣をきって店のドアを開けようとしたが
開いてない・・・
仕方がなく、隣の併設してる「巴ビリヤード」という店に入ってみると
こちらはドアが開いてたので、すかさずライドオン。
「すみません~!もうやってますか?」
「あ、ちょっと待ってくださいね~」
恐らくだが、先ほど電話で話してくれた女性店員さんだ。
「マスター?もうお客さんいれちゃっていいですか?」
マスターに確認する店員さん。
(さっき電話でもうやってるって言ってたやん・・・)
マスターのOKが出たみたいで、無事入店する事が出来たボクと、謎の先輩。
店に入ってようやく意味が分かった。
「巴うどん」と「巴ビリヤード」は同じ店内で
手前にテーブルがあって、奥にビリヤードだったりが出来るスペースがあるみたいだ。
まずはレモン酎ハイを注文し、二日酔いの体内へ流し込む。
メニューは昼だったのでランチメニューのみ。
夜はツマミなんかも出るのかな?なんて考えてると
先ほどの女性店員さんが聞いてもいないのに
「私のオススメは”かすうどん”ですね~!この値段でかすうどんが食べれて、更におにぎりも付いてくるんで、相当安いですよ!」
と教えてくれた。
先ほどの電話対応とは違って、頼もしい接客術だ。
ボクはオススメされた「油カスうどんセット」を注文した。
人生ではじめてビリヤード台を眺めて、レモン酎ハイを呑んでると・・・
すぐにやって来たかすうどん。
「油かす」によって、進化した出汁がとても美味しそう・・・
この出汁があれば、正直うどんは無くても良いくらいだ。
二日酔いで食欲のなかった俳優の花紀京さんが
千日前の「千とせ」で『肉うどん うどん抜き』を注文し、「肉吸い」というメニューが生まれたみたいだが・・・
今ならその気持ちが充分に分かる。
そしてその気持ちが分かる年齢になったんだなと実感した。
もし、先ほどボクがここで店員さんに
『かすうどん うどん抜きで!』とイキってれば・・・
「かす吸い」となるモノが生まれていたかもしれない。
『あの酒場ナビのカリスマジュンヤが店を訪れ、二日酔いで軽く食事をしたかったために「かすうどん、うどん抜きで」と注文し、当時の店主がそれに応えたことから誕生した』
なんてWikipediaに書かれたり、巷で噂になってたかもしれない。
一瞬の判断をあやまってしまったようだ・・・
とは言え、ここのかすうどんに罪は全くない。
そしてめちゃくちゃ旨いうどんかもしれない。
初見で粋な注文をするのは失礼でもある。
そして花紀京さんよ、ボクは二日酔いにも関わらずレモン酎ハイを呑んでいる。
どうだ、すごいだろ?
ボクは全く進まないレモン酎ハイをチビチビ呑んで、優越感に浸ろうと必死だった。
それにしてもかすうどんの出汁が染みやがるぜ・・・
これまた人生ではじめてビリヤード台を眺めて、かすうどんの出汁を啜った。
あとにも先にも、ビリヤード台を眺めながら、かすうどんを啜るのは
恐らくここが最初で最後であろう。
奥のビリヤード台をしっかりと見せてもらう事にした。
ここで常連さんたちはガッツリとビリヤードを楽しむみたいである。
設備に関しても完璧だ。
そしてビリヤードだけではなく
鉄道オタク、カメラ好きの方たちがここで写真を撮ったりもするとの事。
さらにはダーツが出来る環境も揃ってて・・・
たまにここでJAZZライブを開催したりなんかもするらしい・・・
仮装なんかも出来て、物凄くハッピーな空間だ。
このオールマイティーさにもはや脱帽である。
充分写真を撮らせていただいて、そそくさとお会計をお願いすると
タイミングよくマスターが厨房から出てきてくれたので
少しだけお話させてもらった。
「マスター!ここめっちゃ楽しい空間ですね!また来ます!!」
「・・・日本酒は好きですか?」
「え、え・・・詳しくはないですが、少しだけ呑みますね」
「ウチは日本酒にこだわってて・・・」
そう言いながら、日本酒を取り出してくれた。
「これなんか、ものすごく珍しくて・・・日本酒マニアの人からしたらビックリすると思いますよ。」
「へぇ~すごいですね!!」
「このお酒置いてるのがバレたくないから、テレビの取材は断ってるんですわ」
女性店員「マスター!かすうどんお願いします!」
「・・・それからね、まだあっちにも日本酒があって、定期的に日本酒業界の有名な人たちと集まってここで呑むんですよ」
女性店員さんの注文をフル無視してまで
ボクに日本酒の事を教えてくださる。
これは失礼ないようにしっかり聞かなければ・・・
「これなんか、マニアからしたら相当ビックリする酒ですよ」
女性店員「マスター!!かすうどんね!!」
「各地から信頼できる人たちだけ招いて、先ほど言ったように試飲会をするんですよ」
「素晴らしい・・・」
「なので、知識のない方にはあまり提供したくなくてねぇ」
「うわっ!それなんてめちゃくちゃレアなヤツちゃうんですかっ!!!??」
日本酒の事は全く知らないのに、ボクは更にマスターを”よいしょ”してしまった。
「そうそう、正直これを置いてる店はここ以外に今まで出会った事がないですね」
「あとは~・・・」
マスター、そろそろボクに気にせずお客さんのかすうどん作ってください・・・
「そこによく来てくれる方たちのサインと写真がありますよ」
「うん、まぁ~とりあえずそんな感じです」
そう言い残し、マスターはやり切った感全開で厨房へ消えていった。
きっとマスターは真面目な方なんであろう。
こんなボクに日本酒レクチャーをありがとうございました!!!!
店を出ると、すっかり店は開店状態の様子だった。
マスター、頑張ってかすうどん作ってくださいね。
そして次回は確実に「かすうどん うどん抜き」を頼みにきますからねっ!!!
巴うどん(ともえうどん)
住所: | 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-3-5 |
---|---|
TEL: | 06-6624-7900 |
営業時間: | [うどん] 10:30~16:00 [居酒屋] 17:00~24:00 |
定休日: | 日曜日 |