千住大橋「長平」陸の孤島でネット情報一切なしの酒場が30年以上も続けられている訳とは・・・
《陸の孤島×ネット情報なし=名店》
酒場ナビが口うるさく言ってるこちらの説は
今の所、ほぼ間違いないと言っていい。
都内中心部に住んでるのに、あえて電車に乗り、都心から離れた街へいく。
時には2時間以上かけて目的の酒場へ向かう時だってある。
なぜか?
それはそこにしかない最高の酒場が待ってるからだ。
この日、ボクは始発に乗って「足立市場」へ向かうつもりだったのだが
二日酔いに苦しまされ、起きたのは昼前・・・
ケータイ画面で時間を確認し
絶望と共にボクはまた布団の中に入るしかなかった。
普通なら、今日はもう予定変更して別のことするかぁ〜ってなるのだが
「酒の失敗は酒で取り返したい!」
というボクの座右の名にのっとって、とりあえず「足立市場」へ向かった。
もしかしたらまだ「足立市場」はやってるかもしれない
市場内でこの時間でもやってる店があるかもしれない
そんな期待を持ってやってきた「足立市場」
見事に無人・・・
そりゃあそうさ。
リベンジを誓い、次は事前にリサーチしてた酒場へ向かうことにした。
信頼できる〔サカバー〕が教えてくれた店
なんでも・・・
「駅から結構離れている」
「食べログどころかネットに全く情報がない」
との事だった。
千住大橋駅から20分ほど歩いただろうか。
だが知らない街を歩くのは、全く苦ではなく
さらにゴールには酒場が待ってるとなると・・・
20分なんてほぼほぼ一瞬だ。
だって足立区はこんなサプライズをくれるのだから・・・
「路上に白菜」
買い物帰りにこんな大きなものを落としたのに、気づかないなんて・・・
そんな事を思ってるとすぐに目的の酒場が姿を現した。
「やきとり長平」
住宅街にポツンとある赤提灯
外観をよく見ると
最近酒場ナビで記事になってた足立区のあの酒場と似ている佇まいだ。
見えない店内・・・
隣に駐車してある車のナンバーがゾロ目・・・
ただでさえ〔酒場ブランク〕があるのに
これはなかなか入店しづらい・・・
しかしここまで来て
「ビビって入れませんでした〜」
なんて結果で終わるくらいなら、ボクはもう酒場ナビの暖簾を下ろすしかない。
手のひらに「酒」という字を3回書いて、それを飲み込んで、ドアを開けた。
迎え撃つは2名の熟女・・・
「はい?どうしました?」
「あ、いや、一人なんですけど呑めますか・・・?」
「あ、お客さんね〜。どうぞ〜!」
「お邪魔します!!」
「本当はこんなご時世だから一見さんは入れないんだけどねぇ。」
「いきなりすみませんね、、知り合いにここをオススメされたもんで。」
「へぇ〜誰だろ。その人変わった人ね!アハハ〜」
熟女お二人がどちらも良い人でよかった。
とりあえず、ここまでたどり着けたご褒美にママさんに酎ハイをコールした。
なんの変哲もない、いつもの酎ハイが
場所と雰囲気が変われば味も違う。
うまいっ!!
さぁ次はおツマミだ。
二日酔いもあって今日は朝から何も食べてない・・・
目の前のカウンターに並べられた大皿たちがとても誘惑的である。
一番目の前にあった魚の煮付けをチョイスしそうになったが
ホワイトボードにもまだおつまみたちが待機している。
空腹のボクは悩みに悩んだ挙句
まずはカウンターに並んでたコイツをチョイス。
「鮭の塩焼き」
もしかしたらさっき行けなかった「足立市場」で仕入れたのではないか?と予想した「鮭の塩焼き」。
答え合わせは出来なかったが
肉厚な鮭は酎ハイの最高のお供。
「すみません、ホッピーって置いてないですよね?」
ドリンクメニューがなかったので、酎ハイを飲みきった後にママさんに聞いてみた。
「ホッピー?あんなのマズイじゃん!ビールじゃダメなの?」
質問して良かったと思える返答だった。
「ここって店名”ちょうへい”じゃなくて”ちょうべ”って読むんすね!」
心を開いてくれたであろうママさんに再度絡んでみた。
「そうなの〜よく間違えられるのよ。」
「ここは何年やられてるんですか?」
「ん〜もう30年以上は経つねぇ・・・ところでお兄さんは関西の方?」
「はい、京都です!」
「へぇ〜〜私、京都の人本当に腹黒いって思うから嫌い〜。アハハ〜〜」
「いや、そんな事ないですよっ!しかもボク生まれは福知山っていう田舎なんで・・・」
「福知山って、あの脱線事故が・・・」
うん、この会話の流れをもう何度行って来た事か・・・
福知山出身で関西から離れた所に住んでる人は分かってくれるだろう。
「私もカウンターで飲んじゃおうかしら」
ママと楽しく喋ってると、笑顔がチャーミングな熟女が釣れた。
「牛たんつくね」
チャーミングな熟女さんは
とにかく腰が悪いらしく、たまに旦那さんに揉んでもらってるらしい。
その話を聞いたママさんは
「腰が痛くても、揉んでくれる人がいるだけいいじゃん〜〜ウチなんて・・・」
って言ってる。
熟女たちの会話に不思議と癒された。
「良かったら、1杯飲んで!」
「ありがとね!」
熟女たちのやりとりに強い友情を感じた。
「あとで◯◯ちゃんと、◯◯さんも来るだって〜!」
「あ、そうなのっ?じゃあ◯◯ちゃんも呼んじゃおっか!」
ママさんは次から次へとケータイで多数の知人であろう方に電話をし始めた。
きっといつも電話して誘ってるのであろう。
その口調は流暢で、すぐに一人、また一人とどんどんお客さんが増え始めてきた。
ここらでボクはママさんにお会計をお願いすると
「もっと呑もうよ〜」
「もう帰っちゃうの?」
と熟女たちに引き止められそうになったので
気持ちだけでもと思い、「お釣り大丈夫です!」と伝えると
「わぁ〜男前!!また呑みに来てね!」
と最高のお言葉を頂いた。
陸の孤島にあって、ネット情報も一切ないのに30年以上も営業が続けられているのは
『ママさんの集客力』という答えがなんとなく導け出せたので
それだけでも収穫。
これだからディープな酒場巡りは楽しいのだ。
長平(ちょうべ)
住所: | 東京都足立区千住緑町2-22-18 |
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TEL: | 不明 |
営業時間: | 不明 |
定休日: | 不明 |