千鳥橋「ぎ一郎(Gichiro)」 超激安!今年大バズりの予感!!浪花のヴァン・ヘイレン恐るべしっ!!!
2021年夏頃、SNSよりこんなメッセージをいただいた。
場所を調べてみると大阪・・・
次関西に帰った時、行ってみよう
そう思い、頭の角に置いておいた。
2022年1月2日 in 西成
ボクは元旦から西成で呑んでて
二日酔いのままホテルのベッド上で今日の予定を考えた。
そうだ、あそこに行かねば・・・
「千鳥橋」
目的の酒場が17時オープンという事で
昼から尼崎でしこたま呑んでから、「阪神電車」に乗って千鳥橋駅へ。
まさにこの時、正真正銘の”千鳥足”だったのは間違いない。
駅前には赤提灯どころか、ほとんど店がない。
本当にこんな場所にあの派手な外観の酒場なんてあるのか・・・
あった!!!
50メートル先からでも分かってしまった存在感抜群の外観!
「ぎ一郎」
ヴァン・ヘイレンっ!?
赤の奇妙な壁紙はよくみると
ハードロックバンド「ヴァン・ヘイレン」ギターの柄模様だった。
外観の柄模様がインパクト大だったけど
値段も異常に安そうだ・・・
年越しそば110円(税込)
日替わり小鉢110円(税込)
ハッピーアワープレーン酎ハイ170円(税込)
ドラマが起きそうな値段設定だと予感し
これまたカッコいい暖簾を〔暖簾引き〕し、ライドオン!
「いらっしゃい〜!」
「こんちわ〜!いけますかぁ?」
「どうぞどうぞ!ゆっくりしてってなぁ〜」
初対面の金髪にも普段通り接客してくれるマスターが
THE大阪人って感じで安定感があった。
「あのぉ〜ボク、マスターからメッセージいただいた酒場ナビの・・・」
「あ、うわっ!!酒場ナビやんっ!!来てくれたんかいなっ!?」
マスターはわざわざ厨房から出てきて、出迎えてくれた。
・・・
ていうか
服もヴァン・ヘイレン柄やんっ!!!
これから過ごす夜は期待しか出来ない
入店前の予感が確信に変わった瞬間だった。
「生ビール」
まずは320円の生ビールで酒ゴング。
さっきのびっくりする値段設定を見てしまったからか、生ビールの安さがそれほど目立っていないと思うのは
ボクだけだろうか・・・
この通り、グランドメニューも圧巻の安さで脱帽レベルだ・・・
そして更に驚かせてくれたのはこちらの黒板メニュー。
全部税込110円!!
あ、さっきの日替わり小鉢ってこれのことかっ!!
日替わり小鉢って勝手に1品のみかと思ってたけど・・・
16品もあるっ!!!
マジかよっ!!
このショーケースに入ってるのは全部110円の小鉢との事だった・・・
おいおい
今、令和4年やぞ・・・
こんな事あっていいのか・・・
以前、東京都板橋区新板橋にあった立ち飲み「SHOWA」を彷彿とさせる営業スタイルだ。
とにかく今ボクに出来る最大の敬意は
食べまくって、呑みまくる事だ。
「マグロブツ」
110円でマグロ食べれる店って・・・
スーパーで買うより安いやん・・・
「ひねぽん」
ボクが住んでる近所のスーパーでも「ひねぽん」売ってるけど
この量で300円くらいするぞ・・・
「日本酒呑める?これ振る舞い酒良かったらどうぞ!」
金粉入りの日本酒
ボクが振る舞いたい気分だったのに、先にマスターに振る舞われてしまった。
ありがたくいただきますっ!!
そして日本酒にあうツマミも追加でくださいっ!!
「珍味3種」
これも110円って・・・
原価の心配をするのはもうやめだ。
「ジュンヤくん、ミュージシャンのMIYAVIって知ってる?」
「あの子、この近くの学校通っててめちゃくちゃサッカーうまかったんよ」
「けど、怪我してサッカー出来へんようになってもうてな・・・」
「それで引きこもりになってギターばっかり弾いてたら、今度はギターがめちゃくちゃ上手くなったんよ!」
ボクは次から次へと出てくるツマミだけで充分酔えたが
マスターのトークもしっかり酒のツマミになり、アルコールは加速した。
「はい、これチョギレサラダなぁ!」
ボケなのか、天然なのか
チョ”レギ”サラダの事をチョ”ギレ”サラダと言ったマスターに(黒板にもチョ”ギレ”サラダと書いてあった)
常連さんがすかさずツッコミを入れた。
「チョギレやなくて、チョレギやろ?」
さすが大阪人だけあって、年配の方でもツッコミの速さはピカイチだ。
「しかしここはいつ来てもおもろいなぁ〜」
「先輩、ここよく来られるんですか?」
「近所に住んでるねん。だからこの店が出来た時から通っとるなぁ〜」
「そうなんですね!こんな安くて居心地よかったら毎日来てしまうんちゃいます?」
「まぁ〜大体年に2回くらい来るなぁ〜〜」
「いや、全然来てへんやないかぁぁいっ!!!」
ボクが今出せる「最大の声量」、そして「最高のタイミング」でツッコませていただいた。
いや、正しく言うと”ツッコまさせられた”が正しいだろうか。
先輩、初対面にも分かりやすい的確なボケをありがとうございました!
「酒場ナビっていつも西成とかの記事あげてるけど、皆さんどこ住まれてはんの?」
ワンオペで忙しそうなマスターがカウンター越しに話かけてくれた。
「ボクら今全員東京に住んでるんですよ」
「えぇぇ!わざわざ東京から来てくれたんっ!?嬉しいわぁ〜!!」
「ボクも来れて嬉しいっすよ!!
「忘れへんうちに写真撮ろう!」
マスターはとにかく愉快で良い人だ。
「ごめん、今日年越しそば売り切れてもうてなぁ〜・・・『和やきそば』おすすめやけど食べる?」
「もちろん!お願いしますっ!!」
「和やきそば」
マスター曰く山口県名物「瓦そば」をイメージして
蕎麦を醤油ベースの味付けで焼いたとの事だ。
実は蕎麦って焼いた方が旨いんちゃうってくらい完成度の高い料理・・・
豚肉、ちくわ、ネギが入っているから
さすがにこれはそれなりに値段するかとおもいきりゃ・・・
これもまさかの110円。
「まだ食べれる?是非中華そばも食べて欲しいんや〜」
「ボクもそれ最後いったろかおもてたんでお願いしますっ!」
「おおきに!ちょっと店の裏来れる?見て欲しいもんがあってな」
「昔々、この近くに大人気の屋台があって僕もファンで通ってたんよ。でもな・・・」
「・・・引退ですか?」
「せやねん、ご高齢やったから引退されて・・・でも大勢のファンの為にもどうにかして再現したいと思ってな」
「ま、まさかレシピ受け継いだんですかっ!?!?」
「いや、そこまでの仲でもないしな。笑」
「あ、はい・・・」
「自分の舌を頼りに、再現レシピ作ってみたんやっ!」
「す、凄すぎるっ!!!しかも安っ!!」
マスターは調理師免許の他に
実は「ふぐ取扱登録者」、「料理検定3級」、「お好み焼き検定初級」、「日本さかな検定3級」など・・・
を取得してる強者なのだ。
そんな腕の良いマスターが作った渾身の一杯!
「屋台の味 中華そば」
見るからに優しそうな中華そば。
色が薄めのスープに固めの茹で卵、刻みニンニクが
なんとなく屋台っぽい。
マスター曰く
「100点のラーメンは作ってません、みんなに愛される80点のラーメンを作りました」
との事だった。
食べてみるとマスターの言ってる事が充分に伝わった。
「ラーメンってこれでいいんですよ」
じゃなくて
「こんなんが良いんです!」って思わせてくれる一杯。
これまでにいろんなラーメン食べてきたけど
結局ラーメンは醤油ベースが一番安定してるのかなぁ〜って思わせてくれる味。
ボクが屋台の味に感動してると・・・
「マスター、1杯だけ呑ませてや」
少しほろ酔いの兄ちゃんが入店してきた。
「ええけど、こうちゃん!今日はツケあかんで」
「大丈夫やて〜酒1杯分くらいの金くらいあるがな!」
コテコテの関西弁のキャッチボールを聞く限り、先ほどの先輩とは違って常連さんのようだ。
「オレ、今の仕事辞めてみんなを幸せにする仕事がしたいんやっ!!」
「こうちゃん、それ呑んだら帰りやぁ〜呑み過ぎたらまた財布落とすでぇ〜」
「決めた!もう今の仕事辞めてラーメン屋やるわっ!マスターどう思う??」
「うん、やったら良いやん」
結構酔ってるこうちゃん・・・
そして締め作業を終え、おもむろにギターを持ち出したマスター・・・
「ぎ一郎」の夜はまだまだこれからだ!
気づけばボクも気持ちよくなっていた・・・
こうちゃんのキャラ、マスターの歌声に関しては
動画に収める事が出来たので、後日「酒場ナビYouTube Channel」にアップするんで楽しみにしててください。
「また遊びに来てなぁ〜!」
ボクは大満足でぎ一郎をあとにした。
お二人さんは親切にもボクが見えなくなるまで見送ってくれた。
まだ発表は出来ないが2022年某番組で紹介されるかもしれないというこちらの「ぎ一郎」。
2022年はぎ一郎の年になりますように・・・
ぎ一郎 (Gichiro)(ぎいちろう)
住所: | 大阪府大阪市此花区朝日1-9-1 |
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TEL: | 090-3615-8490 |
営業時間: | 17:30~23:30 |
定休日: | 土曜日 |