サヨナラ「阿部商店」・・・ここも最高の天国酒場だった
『天国酒場』という用語がある。
広辞苑で引いても出てこないが
酒場好きなら”酒場用語”としては知っておかねばならぬ用語だ。
ボクが尊敬してる酒場人「パリッコ」さんが作ったと言われている。
これまでにパリッコさんが紹介してた天国酒場は出来る限り訪問してきたし
酒場ナビで記事にもした。
そんな愛してやまない天国酒場を求めて、横浜は小机駅という初めて行く駅へ・・・
駅からそれなりに歩いて
まずは「スーパー銭湯 港北の湯」で最高のととのいを・・・
サウナで汗をかいたあとは、キンキンに冷えた生ビールでツィーーーっと。
最高の『昼のセント酒』完了。
もうこれで終わっても良いくらいだが、今回の目的は天国酒場へ行くことなので
生ビールのおかわりをグッと我慢して、天国酒場へ向かってみた。
Googlemapを見るとその店は堤防沿いにあるとの事だ。
堤防沿いと言えば
今は無き伝説の天国酒場稲田堤「たぬきや」を思い出す・・・
大人になって堤防を歩く事はほとんどなくなったが
中学、高校時代は通学路が堤防だったので、ほぼ毎日堤防を自転車で走ってた。
風景になんの変化もないのが懐かしい思い出・・・
”女の子とデート”みたいな青春がことごとくなかった青春時代(野球三昧の坊主球児だった為)
楽しい思い出を思い出そうとするが
店に到着するまでに早々と思い出が尽きてしまい、結局関係ない事を考えながら
ようやく目的の天国酒場に辿り着いた。
「阿部商店」
安心しか出来ない外観
一体どんな人が経営してて
どんなお客さんがいらっしゃるのか・・・
土手を降りるとすぐに店の入り口という初めての経験。
駄菓子屋が始めた定食屋さんなんだろうか・・・
駄菓子屋のドアを開け
「すみませ~ん!」と言ってみるも返事はない。
一応暖簾が出てるが店は営業してるのだろうか
続いて定食屋の方のドアをあけてみた。
「すみませ~ん!」
「いらっしゃ~い」
こっちの方はすぐに店員さんが返事してくれて、店内へライドオン出来た。
店内は畳のお座敷のみの定食屋さん
ご飯だけでも良いし、ガッツリ呑むのも勿論OKだ。
「瓶ビール」
先ほどのセント酒の続き
ちょっと歩いた後の仕切り直しの瓶ビールも最高だ。
「お通し」
お通しは野菜オンリーの優しくて嬉しいヤツ。
思わず
「こういうお通し嬉しいなぁ〜」
なんて酒友のカンちゃんと談話してると
ママさんらしき方が
「野菜ばっかりでごめんね、大丈夫?」
とお声かけていただいた。
この感じ、友達の実家でご飯食べさせてもらう時に似ているっ!
堤防からのこの雰囲気・・・
本当に実家にワープした気分・・・
「何故この店に来ようと思ったの?」
って質問から会話が弾み
「よかったら逆の入り口側も見てくると良いよ」との事で
探索させていただいた。
この玄関とか実家の玄関と同じ”引き戸”使ってるんちゃうかな・・・
この庭のコンクリートの感じも似てるし
手作り感のある屋根も、似たようなやつをおとんが作ってたなぁ。
そう言えばオブジェ用のデカい石もあった。
ボクの実家の石はもっとデカかったけど、一体どうやって運んだのだろう・・・
実家にはこんなに広くないが
砂利で敷き詰められた駐車場もある・・・
そうそう、こんな感じで
おばあちゃんが何か得体の知れないものを干してたっけなぁ〜
ボクの実家と雰囲気激似やっ!!
ちなみにすぐ近くに堤防もあります・・・
というか
田舎って大体こんな感じか・・・???
店内に戻ると
もう一人の店員さんがいらっしゃって、話してみると
この方がこの店のオーナーさんとの事だった。
「私がこの店の代表の『阿部 力(ツトム)』です〜」
力と書いてつとむって読む名前カッコいいなぁ〜
って思ったが
それ以前に女性で名前が「力(ツトム)」っ!?!?
少し酔ってたせいもあってか、説明を理解するのに時間がかかってしまった・・・
「自家製のお酒がオススメです〜」
優しくて可愛らしい口調で、ママさんはボクらのテーブル近くに座り
接客してくれた。
せっかくなので
「山モモ酒」をいただいた。
ウマッ酒!!
実家でおばあちゃんが自分で作った梅をシロップにつけて
梅ジュースを大量に作ってたのを思い出した。
今度実家に帰ったら
梅酒でも作ってみようかな・・・
「鮭のカマ焼き」
「結局この店って何屋さんなんですか!?」
「何屋さんだろうねぇ〜最初は駄菓子屋としてオープンして、気づいたら野菜も売ってたわ」
「八百屋もやってたんすね!!」
「それからこの定食屋さんはじめて〜〜要望があったからカラオケも歌えるようにしたのよ」
「カラオケ屋さんまで・・・」
「今はコロナでやってないけど、BBQ場として場所とコンロ等を貸し出しもしてました」
「ツトムさん、何でもやりますねぇ・・・」
駄菓子屋、定食屋、八百屋、カラオケ、BBQ場と
5つの顔を持ってる阿部商店、恐るべし。
「自家製ハンバーグ」
訪問時(2021年)は76歳だったツトムさんに聞いてみた。
「ツトムさん、阿部商店は何歳までやるんですか?」
「あと20年くらいはイケますよね!!」
「あははは〜〜」
煽る我々にこの時はナイスな笑顔で応えてくれたツトムさん・・・
お会計をお願いし
また来ますわぁ〜と伝えると
「良かったらこれお土産にどうぞ」
と、自家製の一味唐辛子と甘梅をプレゼントしてくれた。
帰り際、「今年の夏はここでBBQせなあかんな!」
なんてカンちゃんと話してたものの
結局実現はせず・・・
そして1年後・・・
2022年5月31日で
「阿部商店」は閉店してしまった
当時「何歳まで店やるんですか?」と質問した時には
実はもう閉店を決めてたのかもしれない・・・
阿部力さんの誕生日は5月と聞いていたから
77歳を迎えたタイミングで閉店を決めたのだろうか。
何より、”再訪”できなかった悔しさがある・・・
それと気になるのは
恐らくまだ元気であろうツトムさんの今後だ。
”6つ目の顔”は一体どうなるんでしょうか???
仲良し3人で営業されてた「阿部商店」さん、長い間お疲れ様でした!!!
(左からトモちゃん、アイちゃん、ツトムちゃん)
ちゃっかり動画も撮ってました。
これが恐らく「阿部商店」最後の映像でしょう・・・
酒場ナビYouTubeチャンネルで紹介してるんで
こちらも是非チェックしてみてくださいっ!!!
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前半と後半がありますっ!!
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【閉店】阿部商店(あべしょうてん)
住所: | 神奈川県横浜市都筑区川向町356 |
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営業時間: | 11:00~20:00(閉店してます) |
定休日: | 火曜日、水曜日(閉店してます) |