鬼怒川温泉「屋台しげちゃん」 廃墟を巡ったなら、このバラック酒場も絶対に行っておけっ!!
前回記事の続き
日光東照宮を楽しんだ我々は「鬼怒川温泉」駅までワープしたのであった。
駅前では鬼怒川温泉のゆるキャラであり
『七福邪鬼』のリーダー的存在「鬼怒太」くんがお出迎え。
駅前には「鬼怒太の湯」という無料の足湯があるので、勿論リフレッシュタイム。
足湯とは言え、ここは男女混浴だ。
長い鬼怒川温泉の歴史、足湯で実った恋はあるのだろうか・・・
混浴で出逢う恋・・・
素敵すぎるじゃないか。
鬼怒川温泉の楽しみは温泉は勿論のことだが、それと同じくらい古い建物や町並みにも楽しみにしていた。
なかでも絶対に巡りたかったのが、『廃墟』である。
チェックインした旅館から廃墟がある方へ歩いてみた。
もう完全に使われてない廃墟が今なお立ち並んでる風景は
やっぱり”異様”としか言えない。
バブルが崩壊してしまい、次々と多数のホテルが廃業してしまうという・・・
当時は一体どのくらい盛り上げってたんだろう?
バブル全盛期の時代にタイムトリップして、遊んでみたいなぁ~
時が止まってしまった廃墟の前で
これまた中学生くらいから時が止まってしまった大人たちが記念写真を撮るのであった。
「あさや」
ちょっと内観を拝見させていただいたのだが、当時のままのバブリーな感じがたまらない!
お金持ちになったらここに泊まって、高いワインを呑もう。
夢が一つ出来た。
鬼怒川温泉は夜のネオンも素晴らしい。
廃墟巡り、そして最高の温泉でととのったあとは
やはり酒場巡りだ。
旅館の飯を喰らうのも良いが、やっぱりボクは夜の街を徘徊したい。
事前にGooglemapでヒットした渋そうな酒場へ行ってみる事にした。
繁華街から少し離れてて、変な場所にあるし
電話番号もネットに載ってない。
もちろん食べログにも情報はない。
遠くから赤提灯が灯ってるのを確信し、ガッツポーズを鬼怒川温泉の夜空にぶち上げた。
こ、これって・・・
バラック小屋!?
良い意味で不気味っ!!
バラック酒場といえば茨城県の『塙山キャバレー』をすぐに思い出したが
あそこは何軒か酒場が立ち並んでいるから安心出来るだろう。
それに対してここは道路沿いにポツンと1軒だけある・・・
先日訪れた船橋市湊町の「やきとり さゆり」もバラック酒場だったが
あそこは昼間に行ったし、外テラス席だったから”不気味感”はなかった。
ここは店内が見れない・・・
これまでに数々の渋さ全開の酒場を見てきたが
これはトップレベルに危険さを感じる外観だ。
何周もまわってトタンがカッコいい。
一体どんな強者(店主)待ってるんだろうか・・・
赤提灯にギリギリ「屋台しげちゃん」という名前を確認し、ライドオンした。
店内はノーゲス。
そしておやっさんが一人。
「まだやってますか?」
「お~!すごく良いタイミングで来てきれたよ。今日はお客さん来なくって、もう閉めようかと思ってたんだ」
ハードルをあげてたがそれをゆうに超える味のあるマスターが出迎えてくれた。
ノーゲスだから
マンツーマン接客ほぼほぼ確定でナイスタイミング。
今宵も〔酒場の神様〕ありがとうございます。
「酎ハイいけます?」
「いいちこをソーダで割るやつならいけるよ」
そう言ってマスターはボクらの目の前にいいちこのボトルを置いて
「これで好きに吞んじゃってよ」
とつげられた。
自動的にボトルをおろした事になるのだろうか?
真相は分からないが、特にルールがない感じもまた酔い。
マスターの後ろには彩り豊かな野菜たちが綺麗に陳列されてて
それがとても画になる。
こんな雰囲気だからこそ、野菜の存在が浮いてしまう。
野菜たちもオシャレなダイニングバーで陳列されると思って育っただろうに・・・
「マスター!セクシーな女性のポスターめちゃくちゃ多いじゃないですか!」
「姉ちゃんが居た方が酒も進むでしょ?」
「目のやり場に困りますよ」
「最近本物のおっぱい見てないなぁ~」
ボクはこんな夜を待っていた。
「マスター、煮込みください!」
「煮込み、ちょっと待ってねぇ~」
そう言い煮込みを再度温め直し、水で”味の仕上げ”作業をするマスター。
「やっぱりその仕上げの水量が一番のポイントなんですか、マスター!?」
「いや、これは全然テキトーだよ」
「にこみ」
マスター渾身のバラック煮込み。
「ちょうど良い味付けで酒も進みますわ!ソーダ追加でくださいっ!」
「あの野菜はどう調理してくれるんですかっ!?」
「どう調理って・・・焼くだけだよ」
とんでもなくレベルの高い野菜料理を作ってくれるかと期待してたが
まぁこれもブレの範囲内。
「じゃあ『ししとう』と『ブリカマ』を焼いてください!」
ブリカマを手に取り、タッパーに入った塩をまぁまぁな高さからふりかけるマスターがカッコよく見えた。
「この野菜たちは全部マスターが育てたやつですか!?」
「いや、知り合いの農家から仕入れたやつ」
「そのブリはマスター自身が釣ってきたやつとかですか!?」
「いや、普通にその辺で買ったやつだよ」
「きゅうり食べる?」
焼き上がるまでの時間、きゅうりの浅漬けという最高の準備運動を提案してくれた。
皿に盛ったきゅうりに容赦なく、『味の素』をぶっかけるマスター。
ありがとうマスター、ボク漬物に味の素かけるん好きなんす。
「ししとう」
焼きあがったししとうを皿に盛りつけ、味噌も添えて
さぁこれで出来上がり!と思えば、マスターは仕上げにまた味の素を軽くぶっかけた。
味の素を使うことに罪悪感がない料理人・・・
好きです。
「ブリカマ焼き」
「よくここにたどり着いたね」
「Googlemap見てて、気になったんで来てみたんす」
「へぇ~便利な世の中になったもんだねぇ~」
「東京から来たんだよね?兄ちゃんたち派手だし、坂上忍の紹介かと思ったよ」
「え!?どういうことっすか??」
「坂上忍はね、こっちで仕事がある時はよくこの店に呑みに来てくれるんだよ」
「ま、まじすか!!!」
「坂上忍は良い男だよ~良い吞みっぷりだしね」
「さすがに飲酒運転で帰ってないっすよねっ!?」
「懐かしいね、それ。ちゃんと泊まって帰ってるみたいだよ」
ここによく来る坂上忍さんの事が少しだけ好きになりました。
屋台しげちゃんは今年で創業47年らしい。
この危険そうな見た目のバラックで
トイレもないという環境のなか、47年やってこれたのは
間違いなく「しげちゃん」がみんなに愛されてるからだろう。
廃墟巡りのあとはバラック酒場「屋台しげちゃん」で打ちあがるのをオススメします!!
酔い夜でハッピーエンド!
って感じで締ようと思ったんですが
今回ボクではなく、一緒に呑んでたアルプス氏がやらかしたので
不幸な話が好きな方だけ続きをどうぞ↓↓↓
-次の日-
鬼怒川温泉の気持ちい日差しで起きる。
なかなか痛烈な二日酔いだ・・・
結局昨夜は屋台しげちゃんで飲みなれてない「いいちこ」のボトルを二人で空けたんだっけ・・・
しかも宿に帰ってきても、まだ呑んでるし・・・
うん?
相棒のアルプス氏がなんだか朝から騒がしいなぁ。
まさかもうおっぱじめてんのっ??
「お、おはよございます」
「ジュンヤ・・・無いんだけど、財布」
「えぇっ!?どっかに落とした!?」
「昨日最後コンビニでお酒買った時はペイペイで払ったから財布だしてないんだよね」
「じゃあしげちゃんに忘れたか・・・」
「電話して聞いてみるか・・・」
「いや、しげちゃん電話番号記載なしでしたやんっ!」
さすが〔始発待ちのアルプス〕と言われてるだけあって、この旅をただでは終わらせないつもりだ。
焦るアルプス氏を元気つけ
とりあえず朝風呂へ行くことにした。
ボクも旅先で財布を紛失し、とても悔しい思いした経験がある。
酒の失敗だからこそ、ここは余計にしっかりとサポートしてあげたい。
考えた結果、仕込みに来るであろうしげちゃんの時間帯を狙って
店へ行くことにした。
朝風呂行ったり、飯喰ったり、鬼怒川温泉周辺を散策したり・・・
財布がないという現実のなか、アルプス氏は気分を落とす事なく旅を楽しんでくれてた。
旅先での失敗後に一番重要なことは『気持ちの切り替え』である。
このまま気分を落として、引きずってしまうと”旅を楽しめない”、”もう鬼怒川温泉なんて来たくない”といった二次災害になってしまう。
被害を最小限にする事が一番大事なのだ。
小雨が降る中、時はきた。
「いくか、しげちゃんへ」
「これで財布なかったら、もう諦めて吞みましょう!」
ドアは開いてる。
しげちゃんがいるぞ!
どうなんだ!?
結果は・・・
見事生還!!!
やっぱり店に忘れてたらしい。
本気で喜ぶアルプス氏を見ると、とにかく本当に見つかって良かった。
皆様も旅先でのケータイ、財布、思い出の紛失はくれぐれもご注意くださいませ。
屋台しげちゃん(やたいしげちゃん)
住所: | 栃木県日光市鬼怒川温泉大原750 |
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TEL: | 不明 |
営業時間: | 16時~24時 |
定休日: | 無休 |