
新宿「味てつ」歌舞伎町にこんな渋い老舗酒場があったのご存じでしたか・・・?
新宿アルタ
2月28日で45年の歴史に幕
25年前
芸人として売れる夢を持って
上京した僕は
アルタ裏の漫画喫茶でアルバイトを始めた
当時
新宿で一番汚いと呼び声の高かった
ZONEビル
カラオケボックスと
CDショップの狭間の半地下で営業していた
不衛生極まりない漫画喫茶
床にはネズミが走り回り
生きたソレを踏んづけることも
日常茶飯事
今でも
ネズミの骨を折る感触が
足に残っている
ソコに後の
がバイトの面接に来るのだが
それはまた別の話
僕はバイト中
しょっちゅう外に出て
アソコにタモリがいるんだな・・・
いつか出てやるぜ 笑っていいとも・・・
と スタジオアルタを見上げていた
実は
5回ほど叶ったんですよ
その願望は
ダンスパフォーマンスで2度ほど
ウルトラソウル選手権で3度ほど
タモリさんの前で芸を披露した
ダンスチームメンバーの
素っ頓狂な立ち振る舞いを見て
爆笑なさった
タモリさんの笑顔が忘れられない
因みに
ウルトラソウル選手権には
今を時めく
ウエスPやシューマッハの中村君とかと
しのぎを削ってた
最近
ばっかり言ってる
久々に
アルタ裏に来てみた
ZONEビル
取り壊されてるんや・・・
もう一度くらい
あの怪獣見たかった気もするが・・・
懐かしい
周辺を
振り返り散歩
してみよう
新宿民のファーストフード
博多天神
早い 安い 量おおい
500円で替え玉一回無料だった
あの頃はお世話になりました
歌舞伎町一番街もご無沙汰
活気活気してる
かつてココにあった
建物名は
明星56ビル
スーパールーズと言ったほうが
ピンとくる方は多いか
深夜
漫画喫茶でバイトしてた僕は
やじ馬で騒ぎの中にいた
あの光景は
あまり思い出したくない
閉店したんだよな
同じく関西ラーメンチェーンの
神座が
歌舞伎町 渋谷と天下一品の近くに出店するもんだから
天下一品の社長が
「神座と全面戦争じゃあっ!」
ってブチギレてたっていう
噂を聞いたことがあります
この角には
後楽そば新宿店があった
天ぷらそば 焼きそば 五目ご飯のセット
三食定食も
主食やったなぁ
改装前の
つるかめ食堂にいったことがあるのは
自慢していいことかしら
思い出した・・・
ここに
一坪のラーメン屋さんがあったんだ
旨いとんこつラーメン
出してたよなぁ
あったあった
きな臭い歌舞伎町に
清らかな魚屋が存在することに
違和感しかなかった
今もだけど
オスローバッティングセンター
深夜も営業していたので
バイトの休憩中
よく打ちに来ていた
ノスタルジータウン
歌舞伎町最高だぜ
ん・・・
えっ・・・
こんな渋い酒場
あったっけ・・・?
大衆割烹
新宿 味てつ
末枯れた格子の引き戸に
縄のれん
いかにも歴史ありそうな
佇まいじゃないか
25年前も
おそらく営業してただろう
なんで今まで
見えなかったんだ
酒場の神様が
二十代の僕にはまだ早い
五十代になってそろそろいいかと
目隠しを外して下さったのか
となると・・・
縄のれん・・・
くぐらなきゃ
曇りガラスで
中の様子は伺い知れない
歌舞伎町の知らない店・・・
社会に反する方々の
たまり場だったらどうしよう
今日は様子を見ようか・・・
いや
酒場の神様の
恩に応えないなど
沙汰の限り
手のひらに
かつて歌舞伎町のクラブ愛で
5年連続ナンバーワンだった伝説のホスト
城崎仁の実家は丸鶴
と書いて飲み込んで・・・
いざっ!
味わいのある店内の空気は
ほのぼの
切り盛りされてるのは
ご夫婦だろうベテランのお二人
晩酌をなさってる
初老の男性と談笑中
オラついた恐怖感など
これっぽっちも
ほっ
客席は
小上がりにテーブルが3つ
カウンターもあるが
そこにはお惣菜が並べられている
煮魚 白和え
アブラゲと菜っ葉の炊いたん
旨そうだ
ココから一品てのも
選択肢だな
わっ
数え切れないほどの
ホワイトボードのメニュー
ツマミからお食事まで
なんでもござれ
お刺身もあるのか
仕入れは
お近くの舟藤かな
値段の表記がないのが
ちと気がかりだが
会計時に
200那由他飛んで3万円
請求されることはないだろう
「ご注文はぁ」
お父サマは
ゆっくりと小上がりに腰かけて
ゆっくりと僕に尋ねた
「瓶ビールと…お刺身を」
「マグロが終わっちゃってねぇ」
「はい」
「鯛とタコのあわせでもいいかいぃ」
「お願いします」
「あいよぉ」
映画麻雀放浪記の
のような重みですね
お父サマ
ホールが殿方で
調理場はご婦人
今は無き
のスタイルだ
角海老のカレンダーが
いかにもこの街っぽい
来日した世界のVIPは
角海老の社長と
仲良くなって帰っていくという
噂も聞いたことがある
「お刺身お待たせね」
あっ
お母サマ
ホールにも出てきて頂けるんですね
お二人の後ろ姿が
画になっている
お前百までわしゃ九十九まで
共に白髪の生えるまで
うん
お刺身鮮度バツグン
舟藤までは徒歩20秒
舟藤が味てつの冷蔵庫みたいなもんだ
舟藤で仕入れてるかは・・・
知らんけど
ちょっと呑んで食べてリラックス
壁の模様を見渡してみる
川合アンナさん・・・
夜の蝶なんだろうな
そんな人の
誕生祭のお知らせが貼られてるのが
やはりこの街っぽい
色の褪せ方から見るに
随分と古いお写真
現在のアンナさんは
お子さん3人ぐらい連れて
この店に来て
「見て お母さんの若いころよ」
と 往年の輝きを
子供たちに披露してるんだろうな
ホンマに知らんけど
常連さんであろう
男性二人組が入店された
するや否や立て続けに
ハンバーグ
生姜焼き
チャーハン
と注文なさった
お母サマの料理・・・
旨ぇのか・・・
ならば僕も
フライパンを使う何かを
もう一品
選びかねるが・・・
アイツとバッチリ目が合った
「ハイボールとポークソテー下さいっ!」
うわぁ
スケベなテカり
このローション
もとい
このタレの
いやらしいまでの光沢感よ
常連さんは頼んだ料理を
旨い旨いとガッツいてらっしゃる
自然と高まる期待感・・・
バクンッ!
第一印象
柔らかっ!
霜降り松坂牛のごたる食感
纏ったローショ
いや
タレも絶品
デミグラス風味でトロみがあって
肉の味爆上がり
旨いなぁ・・・
絶対全てのメニュー
美味しいぞココ
スマホでココのこと調べてみても
ほとんど情報出てこない
歌舞伎町の人たち
皆で秘密にしてやがるな
味てつのことを
オーダーが一段落したお母サマが
僕の側に座られた
話しやすい距離感
聞いてみよう
「お母サマ すいません」
「なんだい」
「何年ぐらいやってるんですか このお店」
「うーん 45年ぐらいかね」
「えっ!」
奇しくもアルタと同い年
アッチは閉館
コッチはまだまだ
この街を見つめていく
なんだか
感慨深いな
3500円支払って
味てつを後にした
帰りに
新宿民のファーストフード
寄っちゃった
こちらのノスタルジー歌舞伎町酒場もどうぞ
↓
味てつ(あじてつ)
住所: | 東京都新宿区歌舞伎町2-38-8 |
---|---|
TEL: | 03-3209-1643 |