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湯島「玉善」芸人も土手鍋も我慢と粘りで旨くなる・・・のか?
お江戸上野広小路亭
25年前
お笑いコンビを組んでいた僕は
月に一回
ココの舞台に立っていた
マセキ芸能社のマネージャーさんが
UENOdeライブ
と称して開催していた
若手のネタライブ
ふとっちょカウボーイのトリオ時代の
いとうあさこのコンビ時代の
なんかと
しのぎを削っていた
出たたっけなぁ
厳しい環境ながらも
楽しめてはいたが
なんか社員さんにハマれず
じゃあマセキはええか
とナベプロのネタ見せに
通うようになったんだった
懐かしいな
広小路亭があるのは
上野の喧騒から少し離れた
湯島周辺
この界隈の風情が好きだ
落ち着いているが寂しくはない
ちょうどいい雑多感
お色気な香りも
プンと漂う
今日はこの街の酒場に
予約を入れている
酒処 玉善
伺ってますよ
この扉から出てくる食い道楽たちは
皆 満ち足りた顔をしていると
羨ましい
僕も
お仲間に入れて頂きたし
いざっ!
飴色の店内は
たいそう賑わっている
だからといって
アメ横の
はしゃぎ浮かれた
あの感じではない
皆様
河島英五の
携えてらっしゃる
おっ!
ビール大瓶550円は嬉しおす
「すいません お姉サマ」
「はーい」
「大瓶下さい」
「ドライかマルエフか?」
「マルエフでお願いします」
「はーい」
「日本のみなさん おつかれ生です」
と言ってた
新垣結衣が可愛かった
一昨年
「野球ファンのみなさん おつかれ生です」
と言ってた
タイガースの平田勝男が面白かった
去年
ベイスターズの石井琢朗コーチも
それに続いた
優勝ビールかけの
あるあるになりそうですね
おつかれ生からのCM出演
「お姉サマ すいません」
「はーい」
「お刺身とお鍋は予約の時に・・・」
「お持ちしますよ」
「あと・・・ おススメなんかありますか?」
「さつま揚げが自家製で」
「ソレ下さいっ!」
おほっ!
なんと煌びやかな刺し盛り
「お姉サマ これ1人前ですか?」
「そうですよ」
「豪華絢爛な」
「今日は2000円です」
「となると・・・」
「・・・」
「だいたい・・・一切れ80円ですね」
「えっ」
「・・・はしゃぎ浮かれて」
「・・・」
「すいません」
マグロとろっとろっ!
江戸時代は
まぐろのトロの部分は捨てていた・・・?
こんな旨いモンを
もったいない
タイムマシンにのって
捨ててるトロ拾って
かぶりつきたいな
○○って言葉に弱いと言えば
限定 元祖 本家
あと
自家製
ってのもそうだ
ワァオッ!
ふんわり名人ぐらい
フワッフワこのさつま揚げ
玉善の料理長は
越後製菓で
修業なさってたのではなかろうか
ポン酢と共に提供されたが
何も付けなくても
旨味バツグン
形状も含め
その満足感
3ちゃん屋のたこ焼き
のごたる
全ての席の鍋から
湯気が上がり始めた
ここからが本番
そろそろ僕の席にも・・・
「牡蠣土手鍋でーす」
「出たっ!」
「火 付けますねー」
「カキパニックッ!」
「お姉サマ これ1人前ですか?」
「そうですよ」
「本日プライス・・・?」
「今日は1800円です」
「となると・・・」
「・・・」
「だいたい・・・牡蠣1個90円ですね」
「・・・」
「すいません」
「手を触れないで お待ちください」
「待ち遠しいですね・・・」
「お姉サマ まだですかね・・・?」
「まだです」
「かき混ぜたくなりますね・・・」
「我慢です」
「もういけるんじゃないでしょうか・・・」
「もう少し粘りましょう」
「この時間 スゴークく長く感じます」
「そろそろですね」
「待ち焦がれましたっ!」
「味噌を溶かしながら・・・」
「はいっ!」
「味を調節して・・・」
「はいっ!」
「・・・」
「・・・」
「お召し上がりください」
「一瞬 ためましたね お姉サマッ!」
こんなに火を通しても
ビッグサイズ
スーパーで買ってきた牡蠣だと
煮込むと
小学生の時の
プールの授業終わりのチ〇コぐらい
縮みあがってるヤツがよくいるが
そんな子たちは1人もいないエリート集団
カキの大阪桐蔭やぁ~
味噌味のシュンだカキの
旨いこと旨いこと
じっくりコトコト
煮込んだからこその作品
時間をかけるって・・・
大切なんだな
他の具材も
こりゃぁ・・・
お酒
カッパカパいっちゃいます
旨味が広がった
熱々の口に流し込む
冷や生酒クゥ~
この出汁を残して帰るなんて
食材への冒涜
「お姉サマ 〆って何が・・・?」
「うどんと雑炊が」
「・・・じゃあ雑炊お願いしますっ!」
「はーい」
「手を触れないで お待ちください」
「待ち遠しいですね・・・」
「お姉サマ まだですかね・・・?」
「我慢です」
「もうそろそろ・・・」
「粘りましょう」
「この時間 スゴークく長く感じます」
「そろそろですね」
「待ち焦がれましたっ!」
「玉子かけます」
「ご飯の最高のお化粧っ!」
「薬味入れます」
「美人だっ!」
「少し蒸らします」
「じらしますねっ!拷問っ!」
「蓋取ります」
「この湯気浴びときますっ!」
「・・・」
「・・・」
「どうぞお召し上がりください」
「やはり ためますね お姉サマっ!」
雑炊で大正解っ!
うどんと迷ったが
より出汁がシュむ米のほうが
旨味を全て拾ってきてくれる
〆の最高到達点じゃないか
カキの土手鍋の雑炊って
これに
とろけるチーズを
トッピングしたらどうだ・・・?
いや
これには足し算ではなく引き算
ミョウガの千切りを
バラっとかければ
香りも風味も食感も良くなるゾ
パクチーをかけたら・・・
大喧嘩するやろなっ!
ラスト酒は
一周回ってまたビール
550円だから頼みやすし
小一時間煮込まれ続けた
根性牡蠣
をパクリでフィニッシュ
コイツ・・・
成長しきってるやんけ・・・
満ち足りた顔で
玉善を後にした
帰り道にまた
広小路亭を見上げる
つらつらおもんみるに・・・
ココを飛び出した先の
当時のナベプロの雰囲気が苦手で
なんやかんや
解散の流れになったんだよな
僕らのコンビも・・・
カキの土手鍋のように・・・
早まらず
ココに出続けて
我慢して粘ってたら・・・
旨味が出てたかもな・・・?
あー
やり直してぇー
男の嘆きは~♪
ほろ酔いでぇ~♪
河島英五のように
酒場の隅に置いてこれなかったな
こちらの
芸人ノスタルジー酒場もどうぞ
↓
玉善(たまぜん)
住所: | 東京都文京区湯島3-38-11 |
---|---|
TEL: | 03-3831-2724 |
営業時間: | 月・火・水・木・金・土・祝前日・祝後日 17:00 - 22:00 |
定休日: | 日・祝日 |