お嬢さんと結婚させて下さいとお願いしに

彼女の実家に行った呑み

完結編

 

 

無事挨拶もやり遂げ

シュンデルマツモトとも吞み

今日は

青森から東京へ戻る日

 

直帰なんかしたらもったいない

 

ぶらり途中下車の酒

東北新幹線編だ

 

 

 

 

盛岡

 

今から8年前

とある酒場サイトの記事を見て

ずっと気になっていた

角打ちがこの街にある

 

 

 

 

ソコは駅からは近くなく

陸の孤島酒場と言っていい立地

 

 

 

 

歩く歩く

 

岩手銀行の赤レンガ館や・・・

 

 

 

 

可愛らしいデザインのスナックを横目に

歩く歩く

 

 

 

 

鉈屋町なたやちょう

 

建物たちが

グッとクラシカルに

 

 

 

 

アレかな・・・

 

 

 

 

出たっ！

 

細重酒店っ！

 

 

町家造りに

インパクトのある青い看板っ！

 

そう

 

酒場ナビの味論が

かつて記事にしていた角打ちっ！

 

 

ココで呑らずに死ねるか角打ちっ！

 

 

 

 

「遠かったね・・・」

 

 

盛岡駅からキョロキョロしながら

小一時間は歩いたか

 

連日の酒浸りも手伝い

ユナちゃんはお疲れ気味

 

何度でも言おう

 

これが酒場ナビのところに

嫁に来るということなのですよ

 

 

酒を旨くする為に

できるだけ疲労度は上げとけ

 

 

 

 

ガラスの引き戸

クゥ～

 

貼られてる

ビールのシールも愛おしい

 

 

いざっ！

 

 

 

 

うわっ！

 

 

 

 

ぐほっ！

 

 

 

 

ぬはっ！

 

 

 

 

アカンッ！

 

酒場ムラムラが止まらないっ！

 

 

というより・・・

 

この空間に

遺伝子レベルで

懐かしさを感じる

 

 

 

 

こうじ屋・・・

 

 

 

 

「土間土間土間土間土間っ！」

 

 

はっ！

 

土間がカッコ良すぎて

思わずDIOの口調で

ドマドマ連呼しちゃった

 

 

 

 

ココが角打ちですって・・・

 

こんなとこで呑めるなんて・・・

 

京都にもないですよ

京都にも

 

 

 

 

「あっ　女将さん」

「いらっしゃい」

「ジロジロ見ちゃって　すいません」

「いいよいいよ」

「お酒はこっから取るんですか？」

「・・・」

「おツマミはカワキモノ缶詰だけですか？」

「・・・」

「女将さんの手作りみたいなのは？」

「あのさ」

「はい」

「角打ぢは3時がらなんだよ」

「えっ！」

 

 

 

 

現在11時前・・・

 

やってしまった・・・

 

電話で確認して

酒ケジュールを組むという

基本中の基本を怠った

 

ムグ・・・

 

聞くは一時の恥

 

 

 

 

「女将さん　すいません」

「どうした」

「一杯だけ呑めないですかね・・・」

「どっから来だの」

「東京から・・・」

「・・・」

「・・・」

「今がら出がげるがら　ダメだ」

「ですよねっ！」

 

 

 

 

麹が売ってるそうなのだが

持て余しそうなんで

缶ビールを2本買って

細重酒店を後にした

 

 

女将さん

見学させて頂き

ありがとうございました

 

 

 

 

「ちょっと休みたかったね」

 

 

大丈夫ですユナちゃん

 

ちゃんと

保険酒場は用意してますよ

 

 

 

 

肴町商店街を突っ切り・・・

 

 

 

 

夜に訪れたい

桜山横丁をひやかしながら

えっちらおっちら30分

 

 

 

 

出たっ！

 

つぼ半っ！

 

 

町中華で飲ろうぜの

お礼参りSPで登場してた

宿題店っ！

 

 

 

 

「やっと着いたね」

「喉も乾いたでしょう」

「うん」

「呑むように浴びなさい」

「逆逆～」

「煩悩に世が染まるまで喰らいなさい」

「アダムの林檎の歌詞～　聖飢魔IIの～」

「宴の時が来たぜっ！」

「閉ざされた亡者どもよっ！」

 

 

いざっ！

 

 

 

 

古風で可愛らしい印象の店内

 

オレンジの電球の傘が

なんともチャーミング

 

 

 

 

「すいませーん」

「はーい」

「カツカレーのアタマと」

「・・・」

「おつまみチャーシューと」

「・・・」

「カニチャーハンと」

「・・・」

「瓶ビール2本　グラス2つ下さい」

「昼間はお酒出してねぁーんだよ」

「えっ！」

 

 

再びやってしまった・・・

 

ムグ・・・

 

聞くは一時の恥

 

 

「女将さん　すいません」

「どうした」

「一杯だけ呑めないですかね・・・」

「ダメなモンはダメだ」

「ですよねっ！」

 

 

 

女将さんありがとうございます

 

また来ます

 

 

 

 

イカンッ！

 

口から先に生まれたんじゃないかってぐらい

四六時中喋ってるユナちゃんが

無口にっ！

 

 

どっか手っ取り早く

呑めるところに行かねばっ！

 

どこだ・・・

 

 

そうだっ！

アソコがあったっ！

 

 

 

 

20分歩いて盛岡駅に戻って

地下飲食街へ

 

誰が呼んだか

めんこい横丁

 

 

 

 

立呑えびすけっ！

 

 

この屋号で暖簾と提灯が出てて

呑めなかったら酒場詐欺っ！

 

 

 

「やっと呑めるな　ユナちゃん」

「立ち・・・」

 

 

 

いざっ！

 

 

 

 

本日３度目のビールチャレンジ

 

「すいません　赤星を2本・・・」

「かしこまったー」

「クリアーーーッ！」

 

 

 

 

じらされた分

ビールが旨いっ！

 

旨い旨いっ！

 

 

カリスマジュンヤよ

 

スマッシュで

注文が入ってから

1時間後じゃないと提供しない

 

じらしビール

 

ってメニュー加えてみなさい

 

そりゃぁもう

誰も注文しねぇゼ

 

 

 

 

「すいません　唐揚げと・・・」

「へい」

「生姜焼き下さい」

「かしこまったー」

 

 

 

 

ユナちゃんは

無言で呑んだり食べたり

 

空気が重い・・・

 

 

「ユナちゃん見つけたでっ！」

「・・・」

「豚丼とか牛すじ丼とかもあんで」

「・・・」

「カレーも」

「・・・」

「腹減ってるやろ」

「いらね　もうけえる」

 

 

 

あ　あ　あ　秋田弁っ！

 

そう

ユナちゃんは

ろくでなしBLUESの前田太尊よろしく

キレると秋田弁になるのです

 

 

「お会計お願いします」

 

 

 

 

「ユナちゃんどうしたっ！」

「なんで立ぢ呑みなんだよ」

「えっ！」

「長々休みなぐ歩がされで」

「おーん」

「ゆっくりさせでぐれよ　さっとは」

「そういうことな　ゴメンゴメンッ！」

「もうヘトヘトだぁ」

「ただなユナちゃん」

「・・・」

「それが酒場ナビのところに嫁に・・・」

「面白ぐね」

「えっ！」

「最近ソレ　気さ入ってらのがおべねげど」

「あん」

「それごそ　酒場ナビどが言ってんだったら」

「なんやねん」

「呑めね店　2軒も連れでえぐな」

「いや　そこにドラマがあるかも・・・」

「自分のリサーチ不足　ロマンにずな」

「あーん」

 

 

 

 

「あど別に　こんたごど言いだぐねげど」

「なんやねん　言うてみろや」

「この店　せんべろセットあったんだよ」

「それがなんやねん」

「酒場ナビどがいうんだったら」

「あん」

「そんたの　掘り下げるんでねの」

「あん」

「バカみだいにさ」

「あーん」

「ビールど唐揚げど生姜焼ぎって」

「ツマミ　ハズしたくないからやん今は」

「アンタの注文にはさ」

「なんやーーっ！」

「わびさびが無ぇんだよ」

「じゃかしいわーーっ！」

「人前で怒鳴るなっ！」

「こんな結婚やめじゃぁーー！」

 

 

 

 

 

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