[続]早稲田「三福」奇跡は再び・・・。
前回の記事で早稲田の老舗定食屋『三福』を紹介し
やはり酒場ナビの看板を背負ってる立場として、夜の「三福」の顔はどうなんだ!?と気になり
後日、急いで調査しに行ったのである。
ネット上の情報では夜の20時までと記されてあったので、19時くらいに滑り込みで訪れる事が出来たのだが
本当にやってるの?ってくらい外観は暗くて、暖簾も閉まってたのだ・・・。
しかし店内は電気が点いてたし、お客さんも居られたので
入ってみる事にした。
すると店主さんが
「ごめんねぇ〜今日はもう終わっちゃんだよ〜。もうご飯も無いし、おかずもほとんど無いんだよ〜。」と告げられたのだ。
しかし酒場百戦錬磨の筆者(カリスマジュンヤ)はここで下がるわけにはいかないのである。
「1杯だけなんで呑めませんか?ビールだけで良いんで!」と強気にお願いすると
この強気な姿勢にやられたのか、なんとか入らせてもらったのだ。
店内に入るとすぐに目に入ったのが仕舞われた暖簾であった。
なるほど、だから外観の電灯も消して暖簾も出てなかったのか。
早速大瓶ビール(480円)を頼んだ。
定食屋で大瓶ビールが480円と言うのも嬉しい。
お通し?サービス品?の小鉢も頂いた。
瓶ビールはキンキンに冷やしてあって、更にグラスまでカチカチに凍らせてくれてたのがありがたかった。
すぐに1本呑み切ろうとした時に
店主さんがサプライズ鯖の塩焼きを持ってきてくれたのだ。
勿論であるが、筆者は瓶ビールしか頼んでない。気を効かせて持ってきてくれたのであろうか。
このおやっさん昼間だけでなく、夜の顔まで優しいじゃねぇか。
しかもこの鯖の塩焼きも大手チェーン定食屋の鯖の塩焼きとは違って
大きくて、更に脂も乗ってて旨い!
すると先に1人居られた年配のお客さんが「ご馳走さん!いくらですか?」と会計を促してた。
店主さんが瓶ビールの本数を数え始め
「え〜〜瓶ビールが4本で・・・え〜〜〜2400円でいいよっ!」
年配のお客さんと筆者は思わず
「やすっ!!!!」
と声を揃えてしまった。
年配のお客さんが反論する。
「俺大瓶4本も呑んで、飯も食べたんだよ?そんなに安いわけないよ!」
同じく筆者も心の中で反論する。
「そーだ、そーだ!このおっちゃんベロベロじゃねぇか!4000円くらい取ってやれ!!」
しかしそんな我々の反論の声も響かず・・・
店主さんは笑顔で「いいんです。うちはいつもこんな感じでやってるんで。」
ベロベロのおっちゃん&筆者「・・・。」
内訳は一体いくらなんだ!?
そしてあの客のおっちゃんは何で1人で大瓶4本も呑んでるんだ!?
兎にも角にも、こんなアクシデントを目の前で見れて大満足であった。
こんなのを待ってんだよ、こんなのを!
瓶ビールも呑みきった事だし、ネタになる光景も目の前で見れたし
さぁ〜店主さんのおやっさんに迷惑にならないように早めに切り上げるかと
席を立とうとすると・・・
何と次はサプライズ目玉焼きを持ってきてくれたのだ!!
「もうこんなのしか作れないけど、これで我慢してねぇ〜」だってよ。
おやっさん・・・
どこまで優しいんだよ・・・。
この目玉焼きを流し込む為に、瓶ビールをもう1本お願いした。
まだ何か作って持ってきてくれそうな気がしたので、さすがに店主さんに「もう大丈夫なんで!ありがとうございます。」と感謝のオーダーストップをしておいた。
この時ふと思った!
もしや先ほどの大瓶ビール4本呑んで帰って行ったおっちゃんは
こんな感じの店主さんの最高のおもてなしを受け、大瓶ビールが進んだのでは!?
確かにあのまま、オーダーストップをしなくて
どんどん酒のアテが運ばれてくるものなら・・・
筆者も大瓶が4本、5本と進んでいったかもしれない・・・。
そんな事を考えながら2本目の大瓶を呑み干し・・・
いよいよ恐怖のお会計の時がやってきたのだ。
もしこの会計で
「え〜〜瓶ビールが2本で・・・え〜〜〜1300円でいいよっ!」
なんて言われたらどうしよう・・・。
恐る恐る、お会計をお願いした。
すると店主のおやっさんは案の定
迷う事なく即答で「900円でいいよ!」と答えたのだ。
おいおい・・・
ふざけるんじゃねぇよ!!!
何度聞いても、おやっさんはまっすぐな目をして「900円。」と答える・・・。
もう一度自分なりに計算してみよう。
まず瓶ビールの値段が480円だ。
単純に瓶ビール2本分でも、960円だからその時点でおかしい。
そして小鉢と鯖の塩焼きと目玉焼きは完全にサービスだったのか!?
とにかく戸惑いながらも900円を払おうとすると・・・
またか!!
夜も相変わらず、お金が散らばってる!!!
前回の訪問からずっと気になってた質問を聞いてみた。
筆者「お金盗んで行く人とか今まで居なかったんですか?」
店主「昔からこのスタイルは変えてないよ。この店に来る人でそんな悪い事するお客さんは居ないよ。なかには何も言わずにお金だけ置いて行く人も居るし、みんな良い人ばかりでありがたいよ。」
これはコンビニのトイレに「いつも綺麗にご利用頂きありがとうございます」の貼り紙が貼ってある原理と似てるような気がする。
あなたの常識ある行動を信じてますね。と言ったところか。
え?ちょっと違う?
いかん、いかん!
感心ばかりしてる場合か!!
900円という破格にしてもらっり、ありがたいお話も聞けたのだから、何か自分に出来る事はないのか。
そうだ!後片付けを手伝おう!
そう思い立ち手伝わせてください!とおやっさんにお願いしたのだが・・・
「いいんだよ!うちはずっとこんな感じでゆる〜〜くやってるんだから、何もしなくていいよ!また来てね!」
との事で、断固お手伝いを拒否。
更に聞いてみると、夜中遅くまで片付けや仕込みをして
次の日の早朝に築地へ買い出しに行くため、平均睡眠時間は3〜4時間くらいとの事だ。
テレビや雑誌の取材も全部断ってるらしい。
本当にこの『三福』を愛してるお客さんだけに来て欲しいのかな。
そんな控えめで優しくて良い人オーラ全開のおやっさんに会いに、定期的に訪れたいなと思った!!
最後に・・・
この記事を見て、『三福』に乗り込みカウンターに散らばってるお金を根こそぎ盗んでやろうと思い立った悪人たちへ。
もしそんな事したら・・・
「油でギトギトな三福のキッチンをピカピカになるまで掃除する刑」に処します。
カリスマジュンヤの酒場放浪記
〜三福編〜(完)
お食事処 三福(さんぷく)
住所: | 東京都新宿区早稲田鶴巻町554 |
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営業時間: | 11:00~15:00 17:00~20:00 |
定休日: | 土・日・祝 |