東松山「大松屋」 豚んで埼玉っ!!東松山焼鳥組合ってなんぞや??
「なして埼玉県は 魅力度ランキング低いんだっぺさっ?!」
味論が
いつになくいきり立っている
「あんだに大都会で 自然も豊がで オラは信じられねぁ」
確かに埼玉県が最近メディアで
イジられている
のをよく目にする
「言っちゃ悪いが 秋田さ比べだら魅力的で仕方ねぁ」
味論は
秋田県ド田舎村肥やし町の出身
郷土愛はモチロンあるが
客観的に見ても
秋田が24位で 埼玉が43位なのが
解せないという
「なしてだっ?!」
「都会指数が低いからちゃうん」
「なぬっ?」
「東京行くのに 通行手形が必要やからちゃうん」
「なんだど?」
「サイタマラリア っていう病気が蔓延してるからちゃうん」
「変な漫画ばっか読んでらんでねぁー!!」
「じゃあ どうしたいねん??」
「埼玉の魅力を探しにいくっぺよっ!!」
「魅力って・・・? どんな・・・?」
「酒場に決まってるズラよーー!!」
「・・・まぁ ・・・そうなりますわな」
後日
僕と味論がやってきたのは
東松山
池袋から
東武東上線で1時間の
そこそこ遠出
の街だ
「着いたっぺよー」
「都内より寒いな~」
「この街が やきとんの街 だってことは知ってっペかよ?」
「噂はかねがね・・・ いつか来たいと思ってました・・・」
「オラ ワグワグしてきたぞぇ」
「悟空 そんな訛ってへんけどな・・・」
先ず僕達が向かったのが
大島屋
駅から歩いて
わずか30秒という立地が
凍える二人を吸い込まさせた
「埼玉の魅力の真髄・・・ とくと味あわせてもらまぺよー!!」
と 興奮で語尾が
何が何だかの
やかましい味論
とは言うものの
気になっていた街の酒場に
今から入るとなると
僕もワクワクだ
高ぶっている
味論に続いた
コの字カウンターだけの店内
いたるところに
骨董品というか
のようなガラクタが飾られている
そんな中
味論の声が高鳴る
「凄いモン見つけたっぺよー」
「すんばらしい心掛けだっぺなぁー」
「大きく出てますなぁ・・・」
「元気の源を教えてもらうっペよー!!」
「うん まずはお酒に元気貰おう」
まずは
ビールをと・・・
思ったが
せっかく東松山の気温が
お膳立てしてくれているので
熱燗を頂戴することにした
店員のお姉サマが
ポットに入った日本酒を
豪快に注いで下さる
「メニューには お酒 としか書いでねぁが 銘柄なんだべさね」
「越の埼玉 ちゃうか」
「なんだべっ!!」
「わらクズ入ってへんかしら」
「いい加減 翔んで埼玉から離れるっペよっ!!」
「おツマミどうしよか」
「そこだべさ」
「厚揚げとハンペン焼きでも」
「バカこくでねえ!!」
「へっ?」
「今日は やきとんしか食わねえっぺよ」
「うせやんっ!!」
「当然だっペよ そうすることで 埼玉の奥深さを感じれるっペよ」
「むう・・・」
「天下一品にいって こってりを頼まねえ奴はいねえ」
「あっさりも美味しいけどな・・・」
「うるへー 東松山のやきとん食い尽くすっぺよー!!」
「・・・」
やきとんを
一通り貰ってみる
「一串が大きいっぺなぁ」
「うん 旨そうやなぁ」
やきとんを串から外し
食べようとした時
「アンタら それ付けて食べるんだよ」
お姉サマに言われた
それ・・・?
「その 味噌だれ 付けて食べるんだよ」
「この赤いヤツですか?」
「そう それと ここらへんじゃ串から外すと やな顔する店もあるよ」
「勉強になります!!」
「そうなんや・・・」
「やきとんの食べ方にルールがあるんだべさなぁ」
「知らんかったなぁ」
「この 味噌だれ うめえっぺよー」
「甘辛くて これだけで呑めそうやな」
「肉もうんめえなぁ」
「ネギがいい仕事してるなぁ」
「コイツは幸先よく 一軒目から・・・」
「元気貰えてるなーーー!!」
大島屋で
腰を据えたくなってしまったが
せっかく東松山流も覚えたので
後ろ髪を引かれながら
ハシゴやきとんの支度をする
2軒目は
駅からは少し離れたところにある
大松屋
遠目から見ると
一瞬
銭湯かと思しき外観だが・・・
近寄ると
暖簾を確認でき
酒場だと認識できる
それにしても・・・
やきとり・・・
店内はオオバコ
30人以上は座れるんじゃないかという
長い長いコの字カウンターが
どっしりと構えている
お姉サマに
チューハイを貰う
そして
おさらい
をしておく
「えっど 串から外してはダメっぺな」
「次に 味噌ダレを付けて食べんねん」
「もう 怖がることねぇっぺや」
「さあ 何貰おかしらん」
自信満々の2人の前に
まさかのモノが置かれた
「えっ・・?」
「なんだべ・・・?」
「あの お姉サマ これ頼んでないですけど・・・」
お姉サマは
優しく教えて下さった
「ウチはね まずカシラを出すの」
「まず・・・?」
「そして 他のモノ食べてても ずっとカシラを出し続けるの」
「えっ? ずっとですか??」
「そう ストップ って言うまでね」
「マジすかっ!!」
東松山・・・
奥が深い・・・
味論が冗舌だ
「わんこカシラっぺかよーー!!」
「そうね わんこそば みたいな感じね」
「亀戸餃子本店スタイルっぺなぁ」
「ん? 何?」
「でもなんでカシラなんだっぺ?」
「なんでって言うか そもそも東松山が カシラを売る街なのよ」
「そうなんだべか」
「在日の人が屋台でやり始めたのがキッカケみたい」
「関西のホルモンみたいなもんだっぺな」
「そうなの?」
「お姉タマ ジャンジャン焼いてけろ」
「はいはい」
「カシラ品切れにさせてやっぺよー」
「あらあら」
まぁ
ご機嫌ならばなによりだ・・・
2本
3本
4本
美味しいので
どんどん食べれるのだが
流石カシラの歯ごたえ・・・
ちょいと顎も疲れてくる・・・
「ここらでトマトでも・・・」
「・・・いけねえ 浮気さしたら カシラ神様のバチが当っぞ」
「ちょっと 間 あったやん」
「・・・」
「キュウリとか・・・」
「・・・お姉タマ カシラまだっぺかよーー!!」
「・・・」
ふと 目をやると
東松山焼鳥組合員之証
なる 看板を発見
「お姉サマ 組合があるんですか?」
「そうなの 昔は沢山あったけど 今は25軒ぐらいかな」
「焼鳥組合なんすね やきとん組合じゃなくて」
「そうね」
「なんでなんすかね?」
「まぁ 串に刺さってたら 焼鳥でいいんじゃないの」
「なるへ」
ここで
味論に変なスイッチが入った
「だったら串のおでんも 鳥ってことになるっぺ?」
「何?」
「ガリガリ君も 考え方次第では 鳥だっぺか?」
「何? 何?」
「昔いた 矢ガモ も鳥だって言うっぺかーーー!!」
「・・・カモは ・・・鳥よ」
「・・・お姉タマ ・・・ストップお願いするズラ」
大松屋を後にした
「もう1軒いくっぺよ・・・」
「うん・・・ 頑張るか・・・」
3軒目は
とくのや
こちらも
コの字カウンターで
THE大衆
の雰囲気
チューハイを貰い
一息ついたところで・・・
2本ずつ
カシラを頂けた・・・
2本ずつ・・・
さすがに少々
食べ飽きてきた・・・
正直
味論の勢いも衰えている・・・
「まぁ ゆっくりな・・・」
「んだんだ」
ちょいと伝達事項を思い出し
電話をしに
店の外に出た
電話を終え
戻ってくると・・・
「味論!! 何食うてんねん!!」
「あげ焼きズラ」
「約束ちゃうやんけっ!!」
「まぁ あげ焼きも含め 埼玉の魅力っペよ」
「お前は そこらへんの草でも食うとけっ!!」
とくのや(とくのや)
住所: | 埼玉県東松山市箭弓町1-1-6 |
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TEL: | 0493-22-1057 |
営業時間: | 17:00~21:00 |
定休日: | 日曜 |