小村井「伊勢元」伊勢元ファミリーヒストリーに迫るっ!!伊勢元マラソンその4
伊勢元マラソン
ってなんぞや??
東京に数多ある
伊勢元
という屋号の酒屋や酒場
ややこしいので
全店舗回って
〇〇の伊勢元
と命名していくという企画
今回は墨田区の2軒を
仕分けするつもりで
出かけたのですが・・・
まさか
伊勢元の歴史まで聞けるとは
1軒目は八広
はなみづき通り沿いに
ポツンと佇む
伊勢元酒場
と同じく
入口が二つある
開けっ放しの扉が
おいでおいでしてるぜ
暖簾は
店内にかけるスタイルですか
奥に小上がりもあるが
やはり
カウンターに陣取りたい
通る風の気持ち良さよ
お品書きを見て
目を疑った
まいたけ天ぷら200円
やきそば300円
お酒
1合250円
2合450円
安っ!!
ロクサンサンは500円
お通しは
茹でイカ
これが
1000円ってことは・・・
無いよな
あさり酒蒸し400円を所望
出てくるのも早くて
嬉しい限り
アサリの量もケチってなく
味も素晴らしい
出汁にちょっとだけ醤油を垂らすと
コレも最高のツマミになる
呑みモノを300円の
ボールにして
アナゴの天ぷらも頂いた
400円なので少量かな
と思いきや
大ぶりのが4つもあって
食べ応え十分
お会計は
1600円
お通しは無料だ・・・
整いました
はなみづき通の伊勢元は・・・
激安の伊勢元
と命名させて頂きます
2軒目は
東武亀戸線の小村井駅にほど近い
伊勢元
何気なく潜ったこの暖簾に
伊勢元の重要な
キーワード
が書かれてるとは
この時は知る由もなかった
店内は
最近改装したであろう新築感
女将さんお一人で
切り盛りされてるご様子だ
お話・・・
聞かせて頂けないだろうか・・・?
「女将さん 伊勢元って沢山ありますよね」
「これでも 少なくなったけどね」
「横の繋がりとかあるんですか?」
「今は・・・どうかな」
「すぐそこにも 伊勢元酒場あるじゃないですか」
「八広のね」
「はい」
「あそこは おじいさんのお兄さんの番頭さんの店なの」
「んん? お爺さん?お兄さん?番頭さん?」
「おじいさんってのは 社長さんね」
「伊勢元の社長っ!!」
「ちなみにウチの旦那さんだった人は 社長の初孫よ」
「社長の初孫の奥様っ!!もはやファーストレディ」
「何言ってんの」
「社長のお兄さんってのは・・・?」
「うん そもそも伊勢元ってのはね・・・」
「うおっ!! 今 明かされし伊勢元の歴史」
「明治時代・・・もっと前かもしれないけど」
「スケールでかっ!!」
「愛知県の伊勢湾の近くに」
「愛知県ですか・・・」
「いせしょう って酒屋さんがあって」
「伊勢しょう・・・ 」
「そこで働いてた ありまもとじろう って男がね」
「はい」
「愛知県で独立をするの」
「はい」
「その酒屋の屋号が伊勢元」
「伊勢しょう の 元次郎が 独立して伊勢元ですか!!」
「そこに 若き日の ウチのおじいちゃんが働き始めたの」
「若き日の社長っ!!」
「あっ お兄さんと二人でね」
「ご兄弟で 伊勢元にいらっしゃったんですね」
「努力が認められ 伊勢元の屋号を貰ってね」
「暖簾分けだ」
「二人でこっちに来て 東京で伊勢元を立ち上げたの」
「明治時代に・・・カッコいいお二人ですね」
「番頭さんを沢山雇ってね」
「番頭さんて どんな仕事をするんですか?」
「配達したり 売りに行ったり まぁ今で言う営業ね」
「営業ですか」
「当時は 酒屋の免許取るのが難しくて」
「はい」
「番頭さんが なかなか独立できなくてね」
「はい」
「なら 居酒屋で独立しろって 番頭さんに勧めてたの」
「だから 酒場が始まったんですねっ!!」
「開店の面倒を見てあげて 酒はウチからずっと仕入れろってね」
「ウィンウィンな関係だ」
「独立したところから また独立する流れができて」
「はい」
「おじいちゃん 子供が12.3人いたみたいで」
「あっちの方もっ!!」
「子供たちにやらせた 直系の伊勢元も増え」
「直系・・・」
「そこから また独立する番頭さんが出てきて」
「増える一方ですね」
「酒屋酒場で 絶頂期は250ぐらいあったみたい」
「晩杯屋並みの勢いじゃないですかっ!!」
「おじいちゃん達 かなりのお金持ちだったみたいよ」
「アルコールブラザーズッ!!」
「お兄さんは 後に政治家になったみたい」
「酒屋さんドリームッ!!」
「女将さん 因みになんですが・・・」
「なに?」
「直系と暖簾分けの 見分け方 とかってないんですか?」
「うーん 名前ね」
「おのうち って苗字だと直系よ」
「小野内ですか」
「ウチもだけど 暖簾に小野内って書いてあるのよ」
「勉強になります!!」
「小岩に 小野内酒場ってあるんだけど」
「あっ そういえば」
「でも そこは番頭さんの暖簾分けなの」
「ややこしいすね」
「親の代から酒は伊勢元 って言葉があるんだけど」
「亀戸水神の伊勢元で 暖簾に書いてました!!」
「小野内酒場は 表の看板にね」
「親の代から酒は小野内 って書いてるの」
「見にいかなきゃ」
「女将さんは 墨田区ご出身でらっしゃいますか?」
「アタシ 船橋なの」
「千葉ご出身」
「大神宮下ってとこで」
「あっ さゆり がある駅だ」
「大神宮下にも伊勢元酒店があってね」
「はい」
「アタシそこで働いてたの」
「そうなんですね」
「そしたら 本家のお孫さんと見合いしないか?って話が来てね」
「お見合いですかっ!!」
「それで結婚したのよ」
「旦那さんも お金持ちだったんですか」
「それが そんなことないのよ」
「えっ?」
「当時 旦那は八広で別の小さい酒場やっててね」
「伊勢元酒場ではなくてですか?」
「うん そこの稼ぎだけだったのよ」
「社長は初孫に 多額の小遣いを渡してたりは・・・」
「お金持ちってケチじゃない」
「あはは」
「後に 旦那も伊勢元をやり始めてね」
「この店のことですね」
「アタシ お会計だけやってくれないかって頼まれてさ」
「はい」
「その約束で 手伝うことにしたのよ」
「はい」
「結果 お酒から料理から全てやらされて」
「あはは」
「あの人 店アタシに任せてギャンブルばっかやってたんだもの」
「騙されましたね」
「特に 妊娠してる時なんか酷くてね」
「妊娠中ですか」
「お腹の中に宝がいるうちは競馬が当たる なんて言ってさ」
「そんなバカな」
「それがホントに 連勝連勝でね」
「凄いっ!!」
「でも 臨月に負けてスッカラカンよ」
「オチつきますね」
「アタシがココに嫁いだころ おじいちゃんは もう90歳ぐらいで」
「社長 長生きでらっしゃった」
「おじいちゃん 亡くなる間際は病院にいたんだけど」
「はい」
「旦那 俺は初孫だから お見舞いに行かなくても大丈夫 って言ってね」
「どういうことですか?」
「遺産よ」
「でたっ!!遺産相続」
「お見舞い行って せびったら 貰えてただろうに」
「ってことは・・・」
「お見舞行かずに 何の財産分与も無かったの」
「無念ですね」
「行ってりゃ 一生遊んで暮らせたかもなのに」
「そんなにですかっ!!」
「それで この店だけ残して 先逝っちゃって」
「いやぁ」
「アタシ 伊勢元に振り回された人生だわ」
「女将さん・・・素敵です」
整いました
小村井の伊勢元は・・・
社長の財産を貰い損ねた伊勢元
と命名させて頂きます
まだまだいけてない伊勢元はある
小野内酒場含め
巡ってお話聞きたいな
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伊勢元(いせもと)
住所: | 東京都墨田区立花2-3-2 |
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TEL: | 03-3617-8000 |
営業時間: | 17:00~22:00 |
定休日: | 日曜日・祝日 |