高知 堀詰「京や」日本四大白割烹着女将
高知のお座敷遊び
旬家の女将さんに聞いてみた
「高知に来たら いっとかなアカン酒場ってありますか?」
「京やの女将さんには 会うちょかんとだめちや」
「きょうや さんですか…」
おびや町小路 魚の棚商店街 宵まち横丁と
酒場路地が多数ある
高知吞み屋街
その酒場も
路地にあるとのこと
高知55番街
龍馬通りとも
呼ばれてるのか
東京でいえば
大井町の東小路のような・・・
いや
もう少し落ち着いてるか
阿佐ヶ谷のいちょう小路の
雰囲気に似てるかな
ここか・・・
京や
旬家の女将さん曰く
83歳ぐらいの女性がおひとりで
切り盛りなされてるとのこと
しわくちゃヨボヨボのおばあちゃまが
ギリギリやられてるのだろうか
高知で
あかしやき
の店とな・・・?
謎めいて
入店するのが怖くなってきた・・・
手のひらに
武市半平太は早漏にて候
と書いて飲み込んで
心を落ち着かせて・・・
いざっ!!
「ようきんしゃったねぇ」
めちゃめちゃお若いやんっ!!
晩年の
女優原ひさ子みたいな
女性を想像して頂けに
おったまげた
白割烹着の着こなしが
上品で凛となさってる
テーブルもあるがカウンターに
それも
女将さんの真ん前を陣取れた
「ひやかったろうに」
「はい 寒かったです」
「10年にいっぺんの 寒波が来たきね」
「雪降ったんですね」
「何を吞まれますろうか」
「ビール下さい」
「ひやいに 料理はお任せでえいかい」
「はい お願いします」
すらすらと話すその土佐弁は
活舌が良く聞きやすい
言葉ごとに
豊かに表情を変えられ
表現力はとても83歳とは思えない
アンミカと話しているようだ
話したことないけど
「おぶつじ から出すね」
「おぶつじ・・・」
「ぐる煮とも言うね」
「楽しみです」
「おほっ 素朴なお味で」
「体温めてくれるきね」
「寒くて良かったです」
「ようきんしゃったねぇ」
「きょうちゃん こんばんはー」
20代後半と思しき女性が
おひとりで入ってこられた
女将さんは
50以上年下の人から
ちゃん付けで呼ばれている
モチロン関係性があっての
ちゃん付けだろうが
初対面の僕でもいきなり
きょうちゃん
って呼びたい可愛らしさを
放ってらっしゃる
「きょう あっ 女将さん」
「どいたが」
「ココは歴史が長そうなんですが・・・」
「創業60年ちや」
「ろっ 60年ですかっ!!」
「ここら辺じゃ 一番古いんやないかな」
「じゃあ2代目とかですか?」
「ううん アタシが初代ちや」
「ホンマですかっ!!ほな二十歳そこそこからこの店を・・・」
「23歳からやっちゅーのよ」
「エぐいすねっ!!」
「そんな若さで お店出せるって凄くないですか?」
「ワタシ その当時ウグイス嬢やっちょったのよ」
「選挙カー 乗ってたんですか」
「そうながよ」
「市議会議員選挙とかですか」
「県知事さんと」
「ド偉い方っ!!」
「あと 吉田茂さんと」
「内閣総理大臣やないすかっ!!」
「ウグイス嬢の お給料貯めたのと」
「はい」
「知事のお嬢さん貸してくれたきね」
「人徳ですね」
「開店祝いに 吉田茂さんに花出いて頂いてね」
「総理花っ!!」
「ちっくと高知が ザワザワしたがやき」
「でしょうね」
「美人の女の子 一人雇うてね」
「美人が二人の店じゃないですか」
「3年で 借金全部返せよったわよ」
「素晴らしいですね」
「タタキ食べるか」
「あっ カツオ食べますっ!!」
「カツオやないわよ」
「え?」
「原木椎茸のタタキちや」
「シイタケのタタキですとっ!!」
「熱いうちに食べや」
「熱いうちにですとっ!!」
「シイタケに片栗粉つけて揚げてるんですねっ!!」
「それに ミョウガと大葉とネギにポン酢ちや」
「女将さん 旨いスっ!!」
「そうやろう」
「旨いス きょうちゃん!!」
「ん」
「あっ すいません」
「きょうちゃん 熱燗もらってもいいですか」
「日本酒でもえいけど 栗焼酎どうぜよ」
「あっ ダバダ火振ですかっ!!」
「昨日から前割りしちゅーの お燗するか」
「是非ともっ!!」
「出ました 入れてくれる美人っ!!」
「高知の はちきん 言うたらワタシのことちや」
「はちきん・・・ってどういうことですか?」
「男4人ぐらいは 手玉に取れる」
「ほう」
「4人の玉だけに 8キンちや」
「素敵ですっ!!」
「きょうちゃん あの絵 気になるんですけど」
「ありゃ はらたいらさんの絵ちや」
「クイズダービーの はらたいらっ!!」
「よう来てくれてね」
「漫画界のアランドロンッ!!」
「この酒の瓶は はらさんが亡くなられてからね」
「はい」
「はらさんの奥さんが 持ってきてね」
「はい」
「ここにあった方が似合うからって言って 置いてったがぜよ」
「居心地よさそうですね」
「そうやろう」
「著名人 通う酒場にゃ歴史あり ですね」
「著名人というたら あの人もよう来ちょったよ」
「どなたですか?」
「おおた・・・」
「太田和彦さんですか」
「そうそう」
「僕も 1回お会いしたことあります」
「そこ座って げにまっことハンサムで」
「わぁ」
「声が色っぽうてねぇ」
「わぁわぁ」
「太田先生 最近も来られてるんですか?」
「それがね・・・」
「はい」
「10年ぐらい前に 番組の取材でね」
「はい」
「この店 来るってことやったんだけどね」
「はい」
「ちょうどその時ワタシ 病気しちょって取材断っちゃたのよ」
「ご病気なら・・・」
「ほんじゃあきに こじゃんと来られちょらんわねぇ」
「また来て欲しいですね」
「そうやね お会いしたいわぁ」
太田先生は
旭川 独酌三四郎
大阪 わのつぎ
の女将さんのことを
日本三大白割烹着女将
と称される
先生・・・
もう一人選ぶとなると
きょうちゃんですよね
っていうか
明石焼き
出てけえへんかったやんっ!!
こちらの白割烹着女将もどうぞ
↓
京や(きょうや)
住所: | 高知県高知市追手筋1-8-8 |
---|---|
TEL: | 088-823-6965 |
営業時間: | 18:00~00:00 |
定休日: | 日祝 |