安曇川「とんちゃん焼 はしもと」 滋賀県高島市のご当地グルメ『とんちゃん焼き』の謎に迫る
記事で何度か書いてるが
ボクは大学の4年間を滋賀県大津市へ通っていた。
(詳しくは1回生の時に滋賀県に住んでて、あまりの退屈さから2回生から京都市内へ引っ越し)
大学がある滋賀県の田舎へ
平日はほぼ毎日の通学・・・
良い思い出はほとんどない。
滋賀県の県庁所在地は大津市だが、栄えてるのは琵琶湖の東側である『琵琶湖線』で
ボクが通学に使ってたのは西側の『湖西線』で、まぁなかなかの田舎なのだ。
そんなほとんど良い思い出がない、湖西線側へ
今回緊急凱旋してきました。
「琵琶湖だけが心の支えでした」
当時大学生のボクの卒業コメントを見返すとそう記載してあった。
この写真も
普段笑ってないからでしょうか、表情がぎこちないです。
まさにNO FUTURE。
隣の可愛らしい女の子は結局一度も会話したことなかったかな・・・
夏は暇さえあったら近江舞子ビーチへ。
散歩がてらに琵琶湖へ。
どデカい湖は落ち込んでるボクを何度も救ってくれたのは確かだ。
そんな琵琶湖に一礼し、続いて向かったのは
関西最大級のソープ街で雄琴温泉にある『雄琴ソープランド街』だ。
流石にここは当時お世話になったことはないが
改めて来てみると、レトロな外観が酒場同様にドキドキさせてくれる。
これらが風俗店と言うことを忘れさせてくれるくらい立派でカッコいい建物が立ち並ぶ。
せっかくここまでやってきたんだから
どうせならと・・・
我が母校も聖地巡礼。
しかし来てみてもやっぱり思い出が甦らないもんだな・・・
まだまだ北上するとぞ、との事で
高島市の「白髭神社」でパワー注入。
田舎とバカにしてた湖西側ですが、来てみたら良いところありますね。
その後まだ北を攻め、やって来たのは「安曇川」。
この街は通りすぎたくらいで、立ち寄ったことは一度もないはずだ。
どうせ来たのだから、ここらで何か飯でも喰いたいなぁ〜
って思ってたら良さげな精肉店を発見。
「橋本かしわ店」
店内を覗いてみるとなんとテーブルがっ!
まさかここは店内で飲食も出来る天国なのかもしれない!!
鼻息を荒らしながら、店員さんに確認してみると
「今はもう店内営業をやっておらず、精肉店としての営業だけ」
とのことだった。
養鶏場が隣接してるのだが
本当にさっきまで生きてた鶏をここで食べる事が出来たんだろうな・・・
天国に来るのが少し遅かったようだ。
流石に生肉をお持ち帰りする勇気はなく、他の店を探す事にした。
そもそもノーリサーチで高島市安曇川やってきたのだが
安曇川の名物ってなんだろう。
Google先生に問いかけてみると、どうやら『高島とんちゃん』と言うものが名物らしく
安曇川駅前にとんちゃん焼きを食べれる店があったので、突撃してみることにした。
「とんちゃん焼 はしもと」
「地鶏黒鶏 近江シャモ とんちゃん焼き」
と書かれた看板に期待しか出来ない。
「地鶏専門店」って単語好きやわ〜
ってテンションアゲアゲでライドオン。
ワンオペのママさんに
「すんません、生ください!」
とお願いすると
「お〜い。お客さんお呼びやで」
とママさんはカウンターのお客さんに注文を聞きに行かせようとする。
楽しい空気感だ。
まずは冷えた生ビールで喉を掃除。
至福である。
メニューは地鶏を中心のラインナップで
各テーブルにロースターがあるので『鶏焼き肉屋』と言ったところか。
名物の「とんちゃん焼」はどれだろう・・・?
あれ?
焼物のところに「塩焼き」or「とんちゃん」って書かれてるけど・・・
とんちゃん焼って味付けのことなん???
『近江シャモ』
まずは塩焼きが登場。
見るからに新鮮そうな鶏肉は軽く炙って、タタキ感覚で食べれそうなヤツだ。
程よい弾力が癖になる。
はっきり言って、これ旨すぎる・・・
こんな鶏焼き肉専門店、もっともっと増えて欲しいと願うばかりです。
『ハラミ、親どり』
続いて「とんちゃん焼」が登場。
普通のタレ味に見えるが・・・
これは一体どういう事なんだ・・・
そもそも『とんちゃん焼き』の事は勝手に豚ちゃん焼きと思っていたので
豚肉が出てくるのだろうと思っていた。
しかし地鶏専門店だから当たり前に出てくるのは鶏肉ばかり・・・
あとで店員さんに答え合わせをしよう。
しかしこのとんちゃん焼き・・・
めちゃくちゃ酒と米が進むじゃねぇか。
卓上のタレで味変すれば、永遠に喰ってられるぜ。
アルコールが加速してしまったので、すかさずトイレへ。
トイレへ行くとそこにはママさんの趣味が一発で分かる空間だった。
沖縄好きなんやぁ〜
あ、阪神も好きなんや〜
うわっ!
これ懐かしっ!
326やんっ!!
ボクら世代は「みつを」さんより「326」さんに影響を受けた人は多いのではないでしょうか。
トイレに飾ってあった趣味が
ボクとマッチしすぎたので、トイレから出てママさんに聞いてみた。
「ママさん、沖縄と野球と326好きなんですかっ!?」
「・・・うん、好き」
好きなものが3つも被れば、もうほぼほぼ友達になれるだろう。
今こそ畳み掛ける時だっ!
「さっき『橋本かしわ店』ってところで飯喰おうとしたんですけど、店内飲食やってなくて・・・そのまま京都帰ろか思ったんですけど、この店来て良かったですわ〜」
「肉屋行ったん!?あれウチの兄ちゃんがやってる店やわ」
「え・・・あ、そういえばここも”はしもと”ですね!ご家族やったんですか!!」
「今日は若い兄ちゃんが店おったやろ?あれは甥っ子やねん」
「橋本かしわ店のリベンジをすぐに出来て良かったです!!」
「そのニワトリ可愛いっすね」
「この子シャモノスケって言うねん」
「名前つけてあげてるんですね」
「私、店一人でやってるから寂しい時はこうやって抱いてあげて話かけるんよ」
「ママさん、鶏捌けるんですか?」
「毎日店で丸鶏を解体してるで」
「養鶏場あるじゃないですか・・・あそこで屠殺も手伝ったりするんですか・・・?」
「いや・・・絞めるのはちょっとシャモノスケのこと思い浮かんでしまうから、やりたくないねん・・・」
「まぁでも何回か絞めたこともあるで」
「どうやってヤるんですか・・・?」
「まずは中腰で鶏の首捕まえてな」
「鶏が暴れへんように、脚で胴体を押さえて」
「ナタみたいなヤツで、一気に首を落とすんや」
リアル過ぎるお話ありがとうございました。
生命に感謝です・・・
『ガラ煮』
鶏ガラを醤油で煮込んだヤツ。
ガラに肉が程よくついていて、しゃぶりつけば口いっぱいに味の濃い鶏がやってくる。
これはマストで注文すべき一品だ。
「これな、私らの子供頃はおやつみたいなんで、お母さんがよく作ってくれてん」
「子供からしたらなかなかパンチ力ありますね」
「これタンパク質の塊みたいなもんやから、私食べすぎて子供の頃めっちゃ太っててん」
このガラ煮がある限り、安曇川ではケンタッキーは売れないだろうな・・・
「ママさん、多分何百回と質問されてると思うんですけど・・・」
「とんちゃん焼きの定義って何なんですか???」
ボクは入店時から気になってたことを、ついにママさんに聞いてみた。
「これな・・・ほんまによく聞かれるんやけどな」
「はい」
「私は勿論のことお父さんやその上のおじいちゃんに聞いても、とんちゃん焼きの意味ははっきりとした事が分からへんねん」
まさかのアンサーが返ってきた。
「諸説あるんやけど、一番有力なんはこの辺の地域は鶏より豚や牛の方が高級やから、鶏に味をつけてそれを豚や牛っぽく食べるってところからきたって言われてる。けどほんまに正確なことは分からへんねん」
謎に包まれたまま、宿題を残したまま客を帰すって
何だかオシャレ話術だ・・・
滋賀県民の皆様、はしもと家ではそう言われてるようですが
他にとんちゃん焼きの意味があるようでしたら教えてください。
とんちゃん焼きの答え合わせを残したままなので、またいつか琵琶湖とシャモノスケに逢いに
湖西方面へ帰ってきます。
とんちゃん焼 はしもと(とんちゃんやき はしもと)
住所: | 滋賀県高島市安曇川町末広1-2 |
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TEL: | 0740-32-3648 |
営業時間: | 16:00 ~ 22:00 |
定休日: | 火曜日 |