幡ヶ谷「大黒屋」殺人ホッピーに”救われた”思い出・・・
9月18日、山本KIDさんが癌で急死されて
あっけにとられてたお昼過ぎ・・・
なんとなくネットサーフィンをしていると・・・
ヤバイ!幡ヶ谷の大黒屋が、明後日で閉店ですって! pic.twitter.com/7YSJPRrn09
— Naomi (@Naomi_TDPS) 2018年9月7日
ダブルパンチで衝撃な悲しいニュースが舞い込んで来た。
【幡ヶ谷 大黒屋 閉店】
「大黒屋」とは
ボクが住んでる街「幡ヶ谷」のドン的な酒場で
『幡ヶ谷三大酒場』にもランクインしてる名店だ。
そんな酒場ナビの打ち合わせでもよく使われた「大黒屋」が閉店だなんて・・・
その日の夜
自分の目で確かめに行ったところ・・・
噂は本当だった・・・
鮮やかに光り続けてたネオン看板も
もうすっかり役目を終えた様子だ。
「大黒屋」は
中野区南台や笹塚にも店舗があった大黒屋グループのチェーン店なのだが
幡ヶ谷以外の5店舗はすでに閉店されてて、幡ヶ谷店が最後の砦だったのだ。
なのでこれで完全に大黒屋グループは消滅した・・・
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2014年、ボクが東京に上京した時
なんか近所に派手な呑み屋あるな〜なんて気になって
まだ酒場にそこまで興味がなかったながらも
その佇まいには興奮するものがあった。
このTweetを見る限り
東京に来て間もない時から「大黒屋」の事はチェック済みだったようだ。
写真を見ての通り、1本1本の焼き鳥がデカイ。
そういえばこのおやっさんもしばらく見てなかったなぁ〜。
ボクがテイクアウト用の焼き鳥を焼いてもらってる時
一緒に焼き待ちのお姉さんが隣に居て、なんとなく話しかけたら
このおやっさん、ボクがガッツリナンパしてたと思ったらしく(ガッツリ行ってたかもしれないが)
「おーい!兄ちゃん!兄ちゃんの分はまだ時間かかるし、20分後くらいに来て!」と”どっか行け的”な事言われたなぁ〜。
ボクの事、良く思ってなかったんやろなぁ〜
その後もずっとずっと冷たかったもんなぁ〜あのおやっさん。
懐かしいなぁ〜。
「大黒屋」での思い出は
とにかくここでは書ききれないくらい多い。
最後に少しだけ思い出話させてください。
初めてイカとサシで呑んだのも「大黒屋」でしたなぁ〜。
東京に出てきたばかりで
まだ”ホッピー素人童貞”だった頃に
なんとなく頼んだホッピーが強烈に濃かったんよなぁ〜。
「あれ?イカさん!ホッピーの中の量ってこんな多かったっけ??」
「あっはっは〜ジュンちゃん、それは上級者レベルやわ。やったやん得したなっ!すぐ慣れるでぇ~」
あの時はあまりの濃さに悶絶したが
イカの「得したな」と「すぐ慣れるでぇ」の発言に???マークだったが
この発言を理解するのに、そう時間はかからなかった。
そして今ではすっかり酒場用語となった
〔殺人ホッピー〕と言う言葉はこの日誕生したのだ。
なので個人的”元祖殺人ホッピーの酒場“はここ「大黒屋」なのだ。
のちに【まんが酒場ナビ物語】を
廣瀬瞳さんに書いていただく事になり・・・
記念すべき第1話が「大黒屋」であったのだ。
続きはこちらから
当時100円ほどだった焼き鳥は大ぶりで
晩飯に悩んだ夜など、何かある度に良くテイクアウトしてた。
仕方がない事だが
値段改正もされ、少しだけ高くなったが
それでもコストパフォーマンスで考えると大満足だった。
こんな事言いたくないけど
その大ぶりな焼き鳥で有名だった「大黒屋」の焼き鳥も徐々にサイズが小さくなっていた・・・
「景気悪いです」
の無言のメッセージを焼き鳥のサイズからモロに受けていたのは確かであった。
それでもボクらは通い続けた・・・
それは店の雰囲気、親しく接してくれる店員さん・・・
そして〔殺人ホッピー〕が存在してくれたからだ。
どんなに不景気だろうが
ホッピーの中の量だけは変わらず攻め続けてた。
たまに中の量が少なかったりすると(それでも5割以上は入ってる)
「あれ〜?今日ちょっと焼酎少ないんちゃうん?」
って若いバイトの女の子を煽ってみたりもした。
すると次のおかわりでは
ジョッキなみなみに焼酎入れてくれたり・・・
なんかそんな空気感が大好きだった。
疲れた日や、嫌な事があった日は
〔殺人ホッピー〕に癒してもらおうと
とにかく「大黒屋」に通った。
〔殺人ホッピー〕を呑んで、泥酔しても
家はすぐそこだから安心して呑める利便さもあった。
〔殺人ホッピー〕と名付けたが
実際は”助けられてた”んだなぁ〜って思う。
真面目に通った甲斐もあって
何度もポイントカードはいっぱいになった。
閉店間際にご機嫌のマスターが
「ちょっと一緒に良いかしら〜〜〜」
なんて言いながら、一緒に呑んだ夜も何度かあった。
閉店時間を過ぎてもまだ呑んでるボクらを
追い出す事もなく
従業員さん全員が隣席で賄いを食べてる夜もあった。
「ちょっと食べる?」
なんてノリも面白かったなぁ〜。
あの時はご勝手ながら”ファミリー”だと思ってました。
仕事終わりにボクたちと盛り上がって
日本酒の小瓶を何本も空けてベロベロになってたマスターだったけど・・・
自分のお店なのに、自分で呑んだお酒はしっかりお金払ってたなぁ〜。
あの焼き鳥とマスターと殺人ホッピーが居なくなるのは
本当に悲しい・・・
もうあの酒場で
「ビッグエンジョイ」する事は出来ないのか・・・
最後に雰囲気だけでも!と思い
帰り道、スーパーでホッピーを買って
自宅にて追悼殺人ホッピーの儀式をしました。
「大黒屋殺人ホッピー」よ・・・
永遠に・・・
欲をいうならば
最後にもう一度だけ「大黒屋」の〔殺人ホッピー〕で酔いどれたかったです・・・
【閉店】大黒屋 幡ヶ谷店(だいこくや はたがやてん)
住所: | 東京都渋谷区本町6-35-3 |
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TEL: | 03-3377-4602 |
営業時間: | [月~日] 16:00~24:00 |
定休日: | 無休 |