前回京都丸太町の「酒場 井倉木材」の記事を書いたが

次の日も京都に居たので

今回はその続き。

 

 

目的の酒場を目指し

京都駅八条口から八条河原町の交差点へ。

 

すると目的の酒場はすぐに見つかったのだが・・・

 

 

 

その奥に何やら気になる店が・・・

 

 

「さたけ」

 

 

『揚げ物』と『レバーミノ天ぷら』と書かれた暖簾がとても誘惑的だ。

 

 

以前にも書いたが

酒場放浪、ハシゴ酒で一番大事なことは

「計画性」ではなく「突発性」だ。

 

 

 

酒場は逃げないので

目的酒場の前にこの「さたけ」へライドオンすることにした。

 

 

 

「いらっしゃ〜〜い」

 

カウンターに座って呑んでらっしゃるお父様が笑顔で声かけてくれた。

 

え？

お客さんが接客するん！？

 

 

まぁ確かにこれまで何度か

店員さんと思って接してたら、実は常連のお客さんやったって事はあったけど・・・

 

 

そんな事を思ってると

すぐにお父様は席を立って

厨房へ入っていった。

 

 

時刻はまだ１１時３０分・・・

マスターが自分の店のカウンターで

のどごし生を呑んでらっしゃるなんて最高ではないか。

 

 

この酒場を突発的に探し出せた事を誇りに思う。

 

 

「兄ちゃん、その席座り〜テレビ良く見えるでなあ〜」

 

とママさんがテレビを見れる席へと案内してくれた。

 

 

 

 

 

 

「ビール 中ビン（４５０円）」

 

 

中瓶呑みながら

お品書きを吟味・・・

 

 

 

すかさず

「兄ちゃん何する〜〜？」

とママさんが注文を聞いてくれた。

 

 

あまりお腹が減ってなかったのと

次のハシゴ酒の事も考慮して・・・

「レバーてんぷら、ミノてんぷら、ビーフ串カツを１本ずつで！」

とコールした。

 

 

 

 

すぐに天ぷらは出来上がったみたいで

ボクの元にマスターが運んできてくれた。

 

 

左から

「ミノてんぷら（７０円）」、「レバーてんぷら（７０円）」、「ビーフ串カツ（７０円）」

 

 

 

「美味しそうな天ぷらやなぁ〜」

と思ったが・・・

 

 

え！？

これ天ぷら！？！？

 

 

 

「マスター！これ天ぷらですか！？」

 

「そう、うちの天ぷらは串カツみたいやねん」

 

 

すでに特製ソースで味付けされてるし、パン粉で揚げられてる・・・

 

 

マスター・・・

これ完全に串カツやと思います・・・

 

 

 

まぁそんな事はどうでも良いと思わせてくれる揚げ具合に

 

「めっちゃ旨そうっすね〜！」

なんて言葉を発してみると・・・

 

「”旨そう”やない、”旨い”んやっ！！」

と厨房に居らっしゃったママさんがドヤ顔で注意してきた。

 

 

このオラオラ系のママさん

久しぶりに出会したぜ・・・

 

 

「ママさん、これめっちゃ旨いですわ！」

 

「そやろ〜兄ちゃんさっきから何でそんな写真撮ってんの？」

 

「ネットで宣伝したいと思いまして」

 

 

「最近の子は何でも写真撮るねぇ〜」

と言いながら、何冊か雑誌とフリーペーパーをボクの元に持ってきてくれた。

 

 

「ウチ結構色んなとこで紹介してもらってんやぁ〜」

 

「お〜すごいっすねぇ！」

 

「この前はスケラッコちゃんって言う子が漫画にしてくれたわぁ〜」

 

 

 

「フリーペーパーっちゅうんにも載っけてもらったわぁ〜」

 

 

 

「めっちゃ特集されてますやんっ！！」

 

 

 

「せやろ〜今はもうネット社会やからな〜これ見た外人さんがよく店に来んねやぁ〜」

 

「ママさん、英語話せるんですかっ！？」

 

「いや、話せへんから店入ってきた瞬間に『ノーイングリッシュメニューっ！！！』って叫ぶんや」

 

「そら外人さん帰りますね」

 

「たまにそれに対して日本語で返事して来る外人さんだけ入れる」

 

 

 

この店はマスターが面白いと思ってたが

どうやらママさんの方がパンチ力強めだ。

 

 

ママさんがいきなり立ち上がり

ストーブの方へやって来た。

 

 

「ママさん、それストーブの上で何焼いてるんですかっ！？」

 

「今日のお父さん（マスター）の昼ごはん（照）・・・」

 

 

自由だ・・・

ご夫婦さん共々自由だ。

 

 

 

「ママさん、実はボクも酒場ナビと言うサイトでライターやってまして・・・もしよかったら『さたけ』さんネットで紹介しても良いですか？」

 

「かめへんよ〜・・・・あ、もしかして兄ちゃん金取る気か！？」

 

「取りませんよ！」

 

「ほな紹介頼むわ〜」

 

「じゃあお二人さんの写真一枚良いっすか！？」

 

 

メディア慣れしてるお店の方は

ボクらがやりたい事をすぐに理解してくるから気持ち良い。

 

 

せっかくなので

「さたけ特製のういろう（１５０円）」もお持ち帰りでいただくことにした。

 

 

 

「兄ちゃん、手ぶらかいな？」

 

「はい！」

 

「ちょっと待ってなぁ〜」

と奥の部屋に行き・・・

 

 

 

お持ち帰り用の手提げ袋まで頂いた。

 

 

 

京都の人は優しい。

誰だ、最初に『京都人は腹黒い』と言い出した奴は・・・

 

 

 

 

 

こうして『京都昼からハシゴ酒の旅』は

最高のスタートを切れたのであった・・・［続］