渋谷「横丁酒場 あばらや別館」 みんなで広げよう、酒友の輪
今年正月1月3日
珍しく正月を東京の自宅で
しかも暇に過ごしてたボクは
こりゃいかんと思い、イカを誘って急遽近所へ呑みに行くことになった。
「どこ行くかぁ~?」
「築地、浅草、上野らへん行ってみます?・・・ベタか」
「せっかくやし、意外なとこ行ってみよか」
「とりあえずどこ行くかを”いつものところ”で打合せしましょう」
我々は「幡ヶ谷小町食堂」へ集まった。
近所の24時間営業の食堂
ここには毎度お世話になりっぱなしで
よく笑い、よく呑み、よくドラマを引き起こしていただいた。
そんな溜まり場は正月だろうが休まず24時間営業の平常運転。
正月休みで酒場難民になってる人たちを助けてくれる最後の砦でもあった。
「うわっ!おせちあるやん!!」
「これは映えるなぁ~!」
正月に酒を呑みながら、おせち最高じゃねぇかよ
とりあえず、お互い年越しそばを食べてないという事で
ざるそばを注文し、すする事にした。
年末年始何をしてたか
なんて話をイカと楽しく話してると
隣の隣の席の厳つい兄さんと何やら目が合う。
最初は気のせいだと思ってたが
何度も目が合うので・・・
いやもはや目が合うというか、睨まれてるようで。
ボクなんか気に障る事したんかなぁ~
酔ってどっかの呑み屋で一揉めあったんかなぁ~
普段の素行は決して良いとは言えないボクなので
過去の自分に問いかけてみる。
ダメだ
全く思いだせない。
人違いされてるのだろうか?
そんな事を考えてる間にも
何度も目が合う。
逆にこんな目があってお互い喋りかけないのは不自然なくらいだ。
あまりにも気になってしまったので
イカに聞いてみた。
「なんか隣の人めっちゃこっち睨んでません・・・?」
「オレも思った!!!」
やはりイカも同じ事を思ってたみたいで・・・。
これは変な揉め事に巻き込まれる前に
さっさと行先を決めて、この店を出ようと判断したのだが・・・
数分後
隣席の男性は席を立ち、ついに我々のテーブルへやってきた。
始まるのかっ!?
覚悟を決めたボクは机の下で拳を握る。
間もなく喧嘩が始まるであろうピリピリした空気感に
見ず知らずのメンチ切り男性がこっちに向かって、いよいよ仕掛けてくる。
相変わらず人相の悪い厳つめの男性が
我々に発してきた言葉とは・・・
「酒場ナビのお二人さんですよね?めっちゃファンです!!」
「えーーーーーー!!!!!!!」
ボクとイカは腹がよぎちぎれるくらい笑った。
まさにこれぞお笑いの基本中の基本「緊張と緩和」が
見事にマッチした瞬間だった。
普段からこの方は酒場ナビの事は見てくれてたみたいで
「もしかしてあいつら酒場ナビちゃうか?」と思い、こちらを見てたとの事。
にしても
先輩・・・
人相悪すぎですよ。笑
勿論その後は一緒のテーブルで呑む事になるわけで・・・
山谷のディープ酒場情報を教えてくださったり
楽しいお酒が呑めたのでした。
そしてそれとは別で・・・
前置きが長くなりましたが、今回紹介する酒場なんですが
一緒に呑まれてた女性がこれまたパンチ力があったので
写真を撮らせていただきました。
何やら話を聞いてると
この女性、渋谷で立ち飲みをやってるとの事。
店の詳細を聞いてみると
ボクも昔から気になってた酒場だったのだ。
こんな楽しい条件が重なったもんなら
その渋谷の立ち飲み屋へ行かない理由が見つからない。
ちょっと訪れるのが遅くなりましたが
先日その立ち飲み屋へ行ってみた。
「横丁酒場 あばらや別館」
賑わってる渋谷の街から少しだけ外れた場所にある
ディープ感ただよう立ち飲み屋。
この前を通る度に
「今度ここ行ってみよう」と思ってたのだが
今回こんなタイミングで来る事になるとは・・・
やはり真面目に呑んでたら、〔酒場の神様〕は何かと出会いを与えてくれるものだ。
この辺の場所は『裏渋』、『奥渋』なんて言われてる場所で
そんな名前に引けを取らない店内の雰囲気は渋くて居心地が酔い。
店に入ってまだ1分も経ってないのに
そう思わせてくれるのは期待が持てる。
入口付近の厨房で、例のママさんを確認すると
ボクに気づいてくれたママさんが手を振ってくれた。
10メートル先でも
相変わらずパンチ力を感じ取れるママさん・・・
さすがです。
更に嬉しい事は続き
キンミヤ焼酎を発見したボクはキンミヤホッピーを注文する事にした。
まさに今宵は素敵な出会いに乾杯だ。
絶対に年下であろうと思われるイケイケの店員さんも
絡みやすくて好印象。
何故もっと早くこの店に行かなかったのかと
自分に問いかけるくらいに落ち着く店内だ。
ではどれどれ
店のメニューはどんなもんであろうか。
何度も言ってる事だが
ボクくらいになると店のメニュー表をみただけで
この店がアタリかハズレなのかは大体分かるのだ。
的中率も右肩あがりで成長している。
「エビの塩辛」
「豚のあたりめ」
「イカにんじん」
このメニューを見るからに
ここの料理長はなかなかの酒呑みだと思う。
勿論言わずともアタリ店だ。
「エビの塩辛」
エビの塩辛なんて
もう名前だけで美味しい。
ママさんがちょうどこっちに来たので話しかけてみた。
「このエビの塩辛って誰が考案したんですか?」
「料理はほとんどワタシが考えてますね!」
「マスター、ママが良い体型の店の料理は信頼できる説」
この説はほぼほぼ立証済みだ。
一人で楽しく呑んでると
隣で呑んでられた先輩が話しかけてくれた。
「兄さん、はじめてみる顔だねぇ~ここは初めてかい?」
「はい!よろしくお願いします!!」
「この店の事なら、何でも聞いてくれ。なんせオレはこの店でダントツ一番の古株だからな」
「ベテランですか!!」
「この店が出来た時から、週5は必ずこの店に居るからな」
「先輩、お名前お伺いしてもよろしいでしょうか?」
「名前?名前なんてなんでも良いじゃねぇか。好きなように呼んでくれ」
「・・・じゃあその帽子がオシャレなんで『ジョー(JOE)』さんとお呼びしていいですか?」
「良い名前だな、気にいったぜ。ジュンヤよろしくな!」
頼もしい先輩とも仲間になる事が出来た。
はじめて来た店とは思えないくらい楽しんでる自分が居る。
「ジュンヤはどこに住んでるんだ?」
「ボクは幡ヶ谷に住んでます!」
「なんだ!オレと一緒じゃねぇか!!」
「え、先輩!この出逢いに記念して、今から家行っていいですか!?」
「ジュンヤ、お前面白れぇな。気にいったぜ!」
「先輩、ここまでどうやって来たんですか?」
「いつも自転車で来て、帰りは自転車を押して帰るぜ」
「元気ですね~〜お酒呑んでなくても帰り道の代々木八幡~幡ヶ谷のあの心臓破りの坂はキツイですよね?」
「そうか?オレは毎日ノンストップであの坂を自転車で登りきるぜ」
あの辺の事を詳しい人なら分かると思うが
あの坂を自転車でノンストップで登りきるのはなかなかキツい。
体力に少し自信があるボクでもやっぱりあの坂はキツイのだ。
そんな坂を80歳を超えるおじいさんが
自転車でノンストップで登りきるなんて怪しい・・・
「いや、それは嘘でしょ先輩!!(爆笑)」
ついついボクは先輩に意地悪をしてしまった。
「本当だぜ?怪しんでるのかお前?」
「あ、電動自転車ですよね?」
「普通の自転車だ、お前なめてんのか?」
ムキになってるところも更に怪しさが増していく。
「立ち漕ぎで乗っても、ボクでさえ結構しんどいですよ!」
「なんだその程度か、オレは”座り”であの坂を登りきるぜ」
聞いてもない事を
自分から話すあたりも怪しい・・・
「じゃあ先輩、今から自転車でその坂登りにいきましょうよ!」
「お前、完全にオレをなめてるな??」
前回の幡ヶ谷小町食堂での一触触発の
ヤバい空気が流れてたところ・・・
ママさんが絶妙のタイミングで入ってきてくれた。
「〇〇さん、今日も酔ってるわね!」
「酔ってねぇよ!!」
なんとか事なきを得た。
イケないイジリスイッチが入ってしまってごめんね、ジョーさん。
「パクチー揚げ鶏」
ボリューム感ある、エスニック風の揚げ鶏。
やはりこちらもバチバチに旨い。
仲直りしたジョーさんと再度お話をする事にした。
「ジョーさん、ズバリ元気の秘訣ってなんですか?」
「・・・ジュンヤ、それは簡単だ。あれを毎日呑めば元気ビンビンだっ!!」
そう話すジョーさんが指差す方向には・・・
アンデスのチカラ
『男マカギンギンハイボール』
その酒場で気になったモノ、オススメされたモノは
注文するのが、我々酒場ナビの鉄則だ。
勢いよくマカハイボールを呑んでみると・・・
血走る目
熱くなる股間・・・
まさしく”勃ち”飲み状態・・・
結局初めて訪れた「あばらや」で
ボクは最初から最後まで楽しむ事が出来た。
相手してくださった皆様ありがとうございました。
真面目に呑んでたら、友達の輪は必ず広がります
◯みんなで広げよう、酒友の輪◯
横丁酒場 あばらや別館(よこちょうさかば あばらやべっかん)
住所: | 東京都渋谷区宇田川町37-14 塚田ビル1階 |
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TEL: | 03-5738-9494 |
営業時間: | 16:00~24:00(L.O.23:00) |
定休日: | 不定休 |