
引田「やきどり」まだバレてない飴色酒場 結婚の報告をしに彼女を実家に連れてった呑み その3
酒場ナビ未呑県の旅
神戸からバスで徳島に向かい
3軒ハシゴした僕とユナちゃん
徳島駅から
特急うずしおに乗って30分も揺られると
そこはもう香川県
引田天功の
ひきた
ではなく
引田
「渋い駅だね・・・」
「へんじがない ただの無人駅のようだ」
「ドラクエ風」
「この街にありますっ!」
「むっ!」
「来たくて来たくて震えてた酒場がっ!」
「倒置法っ!西野カナッ!」
「時は来た・・・」
「橋本信也っ!故っ!」
「故 は倒置法せんでエエねんっ!」
駅前には
ブギウギ看板が
ほう
東かがわ市は
笠置シヅ子の生誕地なんですか
駅から歩くこと
リアルに15秒
出たっ!
引田の焼き鳥屋さんっ!
その名も
やきどりっ!
もうちょっとこだわった屋号でも
いいのではっ!
「なんとも慎ましい建物だね」
「控えめな表情ですね」
「まだ開店前なんだ」
「17時まで あと10分」
「どうしようか」
「口開け 一番乗りになりたい」
「並んどきましょう」
定刻ピッタリに
マスターが縄暖簾を掲げられた
「もう一度言おう」
「んっ」
「時は来た それだけだ」
「破壊王」
「いざっ!」
うわぁぁぁぁぁぁ
いにしぇぇぇぇぇぇぇ
飴色コの字カウンタァァァァァ
本当に少し震える・・・
初めて
あのゾワッと感
飴色が醸し出すこの刺激・・・
気持ちいぃぃいぃぃぃぃぃ
もはや
古美術品じゃないか
このドロドロの焼き台とタレ甕
何年モノのタレだろう
地震が来たら
この甕持って逃げなきゃですね
外からの夕日が
湯豆腐鍋を照らす
今
やきどりが
一番神秘的な時間じゃなかろうか
蠅取り紙も
ぶら下がってる
先輩方が長年
酒を染み込ませ育てたカウンター
角の丸さたるや
さすると
木製バットのグリップを握ってるのかと
錯覚する
「いにしえ感エグいな ユナちゃん」
「震えるの ちょっとわかる」
「ゾクゾクして風邪ひきそうや」
「飲んどく?早めのパブロン」
「手ぇも震えてきたわ」
「アル中・・・?」
「飴色が好きすぎて・・・」
「んっ」
「アル中やなく 飴色中毒アメ中や」
「体に悪いね やきどり」
酒場って素晴らしい
こんな美しい建物を見学させて頂けて
尚
ココでお酒も呑めるんだから
本日4軒目だが
過去の3軒全てリセット
空腹シラフ
「大瓶と鳥たたきと湯豆腐下さい」
切り盛りなさってるのは
お2人
女将さんと
マスターは息子さんかしら
イヤンッ!
湯豆腐鶏たたき越しの
他人グラス越しの
女将さん越しの
飴色の壁
画になる画になるっ!
湯豆腐薬味
バキバキッ!
これで120円て
ホンマでっかっ!
キレイな鶏たたき
ベッピンさんですね
鮮度がいいのが
バカ舌の僕でも
手に取るようにわかる
これも370円
この足して490円の2つを
3セットぐらい頼んでやろうか
とは言うものの
焼き鳥も食べたい
一通り焼いてもらおう
このタレ溶岩焼き台で焼けば
塩でもタレ味になってしまわないか
心配ご無用
溶けないんですね溶岩
塩の盛られた皿で
提供される
串は小ぶりだが
噛めば噛むほど味濃くなるヤツ
1本120円也
タレ旨っ!
特に玉ひも絶品っ!
深みのあるタレと肉と黄身が
相まって
旨味ダダ洩れ
ん~もうっ!
4軒目だが
呑める呑める
ハイボールにチェンジして
ウイィ~
一通りの提供が終わると
女将さんは
カウンターに腰を下ろされる
ゆったりとした時間を
ふたり占め
静かで・・・
のどかで・・・
ひなびてて・・・
なんて
ほほほんとしていると
急にっ!
すごい勢いで
続々とお客さんがっ!
オシゴト17時に終わって
その足でココに来る人ばかりなのでしょう
引田って街は
ものの10分でほぼ満席
口開けから攻めてなかったら
入れなかったかも
ほっ
「日本酒呑みたいね」
「すいませーん 日本酒冷やで」
「はい」
「出たっ!入れてくれる美男子っ!」
「ユナちゃん アレ気になってんねんけど」
「アレね・・・アタシも」
「やきどりで一番の極上品・・・」
「900円の若鳥の足・・・」
「今度いつ来れるかわからへんし」
「アタシまだ全然食べれるよ」
「すいませーん お酒もうひとつと・・・」
「はい」
「若鳥の足下さいっ!」
「はい」
ぬほっ!
これがっ!
黄金色の重圧感っ!
雰囲気イッキにクリスマス感っ!
高まる膨らむ期待感っ!
「ハフハフ」
「アツアツ」
「皮はパリッと」
「溢れ出す肉汁」
「心地い噛み応え」
「ほとばしる旨味」
「世界はこれをっ!」
「ご馳走と呼ぶんだぜっ!」
「アッチも気になってきた・・・」
「アタシまだ全然食べれるよ」
「すいませーん お酒もうひとつと・・・」
「はい」
「うどん下さいっ!」
「はい」
ぬほっ!
これがっ!
鍋焼きスタイルッ!
これで350円て
ホンマでっかっ!
「香川だけど 讃岐うどんじゃないんだね 」
「柔らかい麺なん?」
「鳴ちゅるうどん よりは硬いけど」
「大阪のうどんぐらいか」
「めっちゃ美味しいよ」
「ダシが絶品やな」
「鶏ダシのスープだね」
「クセになる甘み」
「芳醇で滋味深きコク」
「3リットルぐらいすすれるをコレ」
「雑炊も食べたい このスープで」
お酒がススムススム
酔っぱらったか
こぼしちゃった
カウンターに染み込む日本酒・・・
こぼしたんじゃない
育てたんだ
お手洗いは
厨房を経由してたどり着く場所
あはっ!
厨房ん中にテーブルがあって
ご家族連れがっ!
「お兄さん 阪神ファンなん?」
席に戻る僕に
先輩が話しかけて下さる
「あっ バレました」
「バレバレや そんな携帯持ってたら」
「イヒヒ」
「ワシらも みんな阪神ファンや」
「今年 調子エエっすっね」
「佐藤輝明も打つしな」
「生え抜きでホームラン30本打ったら・・・」
「40年ぶりやな」
「1985年の掛布岡田以来の」
「アレッ 真弓は?」
「真弓はクラウンライターから来たんや」
「田淵とかとのトレードやな」
「他 30本打ったヤツおらへんっけ?」
「今岡が29本どまりで・・・」
「八木新庄大山が28本」
「20本以上やったら・・・」
「浜中桧山鳥谷・・・」
「中谷もな」
「中谷っ!おったなーーーっ!」
皆様
相当なトラキチでらっしゃる
「ほんで 2人は旅行なん?」
「そんなもんです」
「どっから来たん?大阪?」
「東京なんですよ」
「東京?ホンマかいな」
「そうなんですよ」
「こんぴらさんとか 栗林公園とかいくん?」
「行かないですね」
「うどん屋巡るんかいな」
「行かないんですよ」
「ほな 何目当てで香川来たんや?」
「やきどりが目当てで来ました」
「東京からわざわざ ココ目当てで?」
「はいっ!」
「アホちゃう 自分らっ!」
気持ちいぃぃいぃぃぃぃぃ
来たというより
酒場の神様に呼んでもらえたな
やきどりには
真面目に呑んでるご褒美だ
やきどりを後にして
再び
特急うずしおに乗り
SexPistolsのベースみたいな駅を
通り越し
高松の呑み屋街にいき
2・3軒ハシゴを・・・
と意気込んだが
流石に疲労困憊
最高の屋号のラーメン屋さんで〆て
今夜は宿へ
次の日2人は
四国ナンバーワンファンキーシニア角打ち
でフィーバーするのだが・・・
それはまた別の話
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やきどり(やきどり)
住所: | 香川県東かがわ市引田765-31 |
---|---|
TEL: | 0879-33-3145 |
営業時間: | 17:00 - 21:00 |