【W投稿】あの名優が焼いている!?東日本橋「江戸政」
「あ! 被っちゃってる!」
これまでにも多くの応募が届いている”メンバーに行ってほしい酒場“企画。
その依頼の中に、偶然にも『江戸政』という店名が2店舗被っているのを発見し、しかもその酒場同士も割りと近かったので早速”はしご酒”をしてみることにした。
ということで、今回ははじめての2店舗”W投稿”!
1店舗目は東日本橋駅にある『江戸政』のご依頼。
特に紹介文の記載なし
maru9501 さん
『行けばすべてわかる』の如く、依頼文には店名と住所に”東日本橋”のみ記載だった為、店名だけを頼りに東日本橋駅へ向かう。
この”情報があまり無い状態”で酒場へ行くのもまた”サカバー心“をくすぐるのである。
『江戸政』
店は隅田川沿いにあり、見た目はずいぶん綺麗な佇まい。
“あら?結構どこにでもある普通の店だろうか?”と、外から暖簾引きをすると結構人が入っていた。そして、よくみると立ち飲みの店だった。
「いらっしゃいませ」
“え!? マツケン!?”
暖簾を潜ると『松平健』が焼き鳥を焼いていた。
いや、本当は俳優の『松平健』にそっくりなイケメン店主なのだが、似すぎてて一瞬、見惚れるほどである。
「こちらの席どうぞ~」
店主……いや、『マツケン』の横にいる、こちらは”大地真央”似ではない女将が席へと案内してくれる。
店内は、店の中央に焼き鳥の焼場があるという珍しい作り。
席に着くなり、女将が声をかけてきた。
「”生つくね”なら先に注文貰っときますよ~?」
「え……? はい、お願いします」
はて?
『生つくね』とは……?
はじめて聞く単語にとまどいつつも、”知ったかぶり”をして注文してみる。ついでに瓶ビールもお願いした。
女将が目の前に瓶ビールを置く。
「470円です」
「あ、前金制なんですね?」
「飲み物だけ前金です」
飲み物だけ前金なのははじめてだ。慌てて財布を出す。
うーむ、なかなかの”初見殺し”の酒場である。
この店に行きたいと思ってた方は是非、この記事を参考にしていただきたいと今から言っておこう。
ビールを一口飲んで間もなく、例の『生つくね』が届いたのだが……。
「えっ!? 嘘だろ?」
『生つくね』
出てきたのは生ひき肉の団子に甘タレをかけたものだった。
(間違って焼く前の物を出したんじゃないよなぁ……?)
大方、名前からして予想は出来ていたのだが、いくらなんでも”生ひき肉感”が過ぎる……。本当にコレはこのまま食べていいものなのだろうか?
しばらく困惑していると、マツケンがワサビの入った入れ物を私の目の前にポンと置いた。
“コレにワサビ付けて食べろってか!?”
マツケン……いや、『八代将軍・徳川吉宗』のまるで”切腹せよ”と言わんばかりの手打ちに、私は意を決し「母上様、お元気で」と心で呟いた後、その生のひき肉を口へ放り込んだ。
……。
──うまいっ!!
ただでさえひき肉は独特の”肉臭ささ”があるので、多少臭うかなと思いきや、全くそんなものはなく新鮮な鶏肉の味が口いっぱいに広がる。さらに、ワサビを合わせることによって、鶏肉の淡白な味にアクセントが生まれる。
味も然ることながら、”絶対にひき肉は生で食べてはいけない”という一種の”背徳感”もあいまって、はじめて体験する味に感動すら覚えた。
これは他の料理も試してみたいと、吉宗に焼き物でも注文しようとすると、
「はい、お待ちどうさまです」
吉宗が焼き物4品を目の前に置いた。
あれ?注文してないのに?と思ったのだが、実はこの店、鰻串屋でよくある”勝手にコース料理”のシステムだったのだ。
その為、席に着いた時点で必ず焼き物4品は自動で注文される仕組みになっている。焼き鳥屋でこのシステムもはじめてである。
『ネギマ・ハツ・ピーマン肉詰め・半生つくね』
『ネギマ』と『ハツ』の串はかなり大ぶり。普通、これだけ大きな肉の焼き鳥だと焼くのに時間がかかり結果、身が硬くなったりパサついたりするのだが、ここのは全くそれが無い。
よく見ると、焼いた後に一旦トレイに入れてその上にタオルを掛け”寝かし”をしていた。なるほど、無駄な加熱はせず、余熱で中まで火を入れてるからここまで肉がジューシーに仕上がるのか。
『ピーマン肉詰め』や『半生つくね』にしろ、さっき生で食べても美味しかったのに焼いて不味い訳がない。焼かれている部分と生の部分を同時に楽しめる料理達に、しばし舌鼓で時間の経つのを忘れるのであった──。
ここは随分と”はじめて”を体験させてくれる酒場であった。
吉宗……いや、”江戸政・店主”の息もつかせず繰り広げられる『驚き』や『感動』の料理は、まるで彼の”サンバ”でも観ているかの様に心躍らせるものばかりだ。
正直、教えてもらっておいて、”人に教えたくない酒場”のひとつになりそうである。
maru9501 さん、
すばらしい松平健の情報ありがとうございました!
続けて小岩にある『江戸政』をどうぞ。
江戸政(えどまさ)
住所: | 東京都中央区東日本橋2-21-5 |
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TEL: | 03-3851-2948 |
営業時間: | [月~金] 17:00~20:00 [土] 土曜日17:00~18:30 |
定休日: | 日曜・祝日 |