西八王子「豚珍汗」誰が行くねんこんな店っ!! その3
最近
大衆食堂や街中華に置いてある
漫画
が気になっている
これ何十年前から置いてあんねん・・・
と思わされる
こち亀やゴルゴ13などを見つけると
かつて
それを読んでらっしゃった先輩と繋がれた気がして
なんだか嬉しい
古ければ古いほど
血沸き肉躍る
先日
酒友に
「古い漫画が置いてそうな店ないかしら・・・?」
と 尋ねたところ
「あそこやったらあるでっ!!」
と 頼もしい返事を頂けた
「やったーー!! 教えてんかっ!!」
と 興奮する僕をよそに
酒友は続けた
「ただ・・・」
「ただ・・・?」
「その店 ゴチャゴチャのひっちゃかめっちゃかなんですわ」
「へ?」
「壁に 変なラクガキみたいなん いっぱいありまんねん」
「へっ?」
「そこのカラアゲ 揚げてるんやなく煮込んでるみたいなヤツなんすよ」
「へっ? へっ?」
「あと・・・」
「ちょっと待ってっ!! どこにあんのその店?」
「八王子の次の駅やったと思いますわ」
八王子て・・・
遠いな・・・
煮込んだようなカラアゲ・・・?
美味しくなさそうやな・・・
怪しそうな気配も感じるな・・・
そんな店・・・
誰が行くねん・・・?
僕だっ!!
八王子のお隣
西八王子駅から
歩いて5分のところに
その店はあった
大衆食堂
豚珍汗(とんちんかん)
店構えの渋さや
看板の可愛らしさなど
触れたいところは幾つもあるが
一番気になるのは・・・
飲食店に
汗
という文字を屋号に入れるかね・・・?
どんな店主さんが
切り盛りされてるのだろうか・・・?
ラクガキだらけの店内って言ってたな・・・
ボクシングペインティングとかやってそうな
浮世離れしたオヤジさんかな・・・?
いつもより
行儀よく
扉を開いた
うおっ!!
渋い・・・
正直
ゴミ屋敷みたいなんじゃないかと
想像していたがとんでもない
年輪を感じさせるセピア色に
包み込まれた僕がいた
大きな鏡と手洗い場に
歴史がある店だぞ
と また教えられる
出たっ!!
やかんストーブならぬ
鍋ストーブ
これを見て
ほっこり
しない日本人などいないっ!!
中身が
おどろおどろしいモノでない限り・・・
ふぅ・・・
お湯でよかった・・・
とは言うものの
酒友の情報通り
ゴチャゴチャ
はしている
カウンターの上にはモノがギッシリで
もはや物置だ
入口付近のカウンターは
漫画が乱雑に・・・
この山・・・
お宝が眠っているに違いない・・・
変なラクガキって
こういうことか・・・
年代物だ
これを書いた人は
安室奈美恵とSAMが
スピード離婚するとは
思ってなかっただろうな
このマリリンモンロー
ブスやなぁ
浦安鉄筋家族の作者が
描いたのだろうか・・・?
「いらっしゃ~い」
店内観察に没頭している僕に
浮世離れとは程遠い
これでもかっ!!
というほど可愛らしいマスターに
お声を頂けた
「あっ すいません ビール下さい」
「はい~」
マスター・・・
ひふみんぐらい可愛らしいな・・・
勝手な想像してて
申し訳ありません
一息
とりあえず
一品頼んでおきたい
やおら
メニューを眺めてみる
ラーメン350円
ヤサイイタメ300円
安いなぁ
納豆定食が
3種類あるのに優しさを感じる
チクワフライ定食となっ??
アジフライ定食と同じ430円か・・・
戦えてるだろうか・・・?
田中純一郎は
10000円なんや・・・
これはいったんスルースルとして・・・
などと考えていると
マスターが
「カラアゲがおいしいよぉ~」
と厨房から
カラアゲって・・・
例のヤツか・・・
どうしようか・・・
いやっ!!
酒場ナビ酒訓第51条
おススメの品を断ることなかれ
「はいっ!! カラアゲ単品で下さいっ!!」
カラアゲを待つ間
本日のメインといってもいい行為
激古漫画探し
を やっておこう
お~い竜馬
泣いたなぁ・・・
釘師サブやん
釘師にスポットあてる漫画て凄いなぁ・・・
おそ松くん
あ・・・
復刻されたヤツか・・・
あっ!!
これが一番素敵やっ!!
ド根性ガエル第2巻
昔のジャンプコミックスのデザインと
画のタッチが
レトロ好き心をくすぐりやがる
ピンチピンチピンチの巻て・・・
よく見ると
ヒロシってめっちゃオシャレやな・・・
赤いズボンで頭にグラサン
自分に自信がないと
出来ない格好だ
おそらく
40年はこの店に置かれているだろう
ガキの頃
家族でココにきて
とっくに食事は終わっているのに
ずっとこの漫画を読んでいて
母親に
「もう帰るからねっ!!」
と 手を引っ張られて外に出され
志半ばで続きを読むのを諦めさせられた
なんて思い出のある方いらっしゃいませんか?
続き・・・
まだ読めますよ
「おまたせ~」
噂のカラアゲを
マスターが置いて下さった
確かに・・・
独特な装いではあるか・・・
小さめのヤツを
箸でつかんで一口・・・
旨いっ!!
揚げ物特有の
サクッと感
はないが
味がめちゃめちゃ美味しいっ!!
おそらく
秘伝のタレに
一昼夜は漬けこんであるのだろう
噛めば噛むほど
旨味が溢れ出てくる
カラアゲどうこうでなく
絶品鶏料理
であることに間違いはない
酒訓・・・
守ってよかった・・・
マスターつくる
ほかのメニューも気になるところ
このまま帰ってはサカバーがすたる
「すいません 熱燗とチャーハン下さいっ!!」
熱燗は
徳利からコップに注ぐスタイル
コップってのがいい
お猪口など豚珍汗には似合わねえぜ
チャーハンは
土曜日の昼に
父親が作ってくれるヤツのような
漢焼き飯
味も濃い目で
酒がススムススム
すぐに徳利は空き
お代わりをお願いした
すると
マスターは
のものも
の箱パックを振りながら
「あ~ もう一杯分取れないや~」
と言うと
おもむろに僕のほうに近づいてこられ
のものも
を僕のグラスに注いで
「サービスしときます」
と仰った
お代わりのお酒は冷だったが
なんだか温かかったな
マスターまた来ます
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馬橋「ニカカレーショップ」誰が行くねんこんな店っ!! その2
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豚珍汗(とんちんかん)
住所: | 東京都八王子市散田町3-19-2 |
---|---|
営業時間: | 12:00~22:00 |
定休日: | 年中無休 |