【番外編】たまにはメンバー3人で仲良く観光へ行ってみた【浜金谷】
友人にこんな事を言われた。
「酒場ナビって3人いるのに、3人で登場する記事って少ないよね」
たしかに……うーん、そう言われてみれば少ないような……そこで実際にメンバー3人の登場回を数えてみたのだ。
2018年7月現在、全263記事中──
『22回』
少ないっ!!
全体でたったの8%しか3人での記事がなかったのだ。そりゃ少ないと言われるわけだ。
まぁ、それはそれで別に構わないことなのだが……〝仲が悪い〟と読者に誤解されてもしゃくなので、メンバーと一緒に『酒場ナビ日帰り観光の旅』を企画して、その様子を《計2回》にわたって紹介したいと思う。
因みに今回は『酒場ナビ』ではなく、『酒場ナシ』である。
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4月下旬。
「めっちゃ速っ!! め──っちゃ速ぁぁあ!!」
千葉県は『浜金谷』という場所へ向かうため、JRの電車に乗り込んだ私を含む酒場ナビメンバー3人。
初めての〝日帰り観光の旅〟だからということで、一丁前にグリーン車を利用したのだが、
「やっぱ、グリーン車て速いんやなぁジュンちゃん!!」
「ほんまっスわ! ほぼワープですやん!」
と、グリーン車に乗ったことのないイカとカリスマジュンヤは、勘違いしながらも既にご満悦であった。
目的の駅に到着する頃には予想通り〝泥酔状態〟となった私たち3人。片道2時間半という時間をかけ『浜金谷』へ到着したのだ。
『浜金谷駅』
そういえば、この『浜金谷』を目的地にした理由を言っていなかった。
今回メンバー3人の〝グルーブ感〟が如何にあることを読者にも分かってもらうため、まずは事前に〝全員の希望〟を聞いて場所を選んだのだ。
観覧車などの高所の乗り物が好きなイカの希望は、
ロープウェーがあるところがええ
年間を通して〝ネイチャー男〟のカリスマジュンヤの希望は、
ボク、海でたっぷり泳ぎたいスわぁ!!
大型船が好きな私(味論)の希望は、
東京湾をフェリーでクルージングしたい
これらの希望を一度に叶える場所は、おそらく関東にひとつ……それがこの『浜金谷』だったのだ。
浜金谷には、『鋸山ロープウェー』『金谷港』『東京湾フェリー』が揃っており、まるで今日の観光の為に用意された町の様にさえ思えた。
もちろん〝大晴れ男〟の私がいる限り、天気は大快晴。
駅を出るとさっそくイカの希望する『ロープウェー』乗り場へと向かった。
『鋸山ロープウェー』
ロープウェーに乗り込む3人。
山頂まで片道4分の短い乗車時間ではあるが、高所好きのイカは44歳にもなって終始大はしゃぎであった。
頂上付近に到着し、泥酔状態には堪える急な階段と岩肌を登ると──
そこには、浜金谷の海、山、町を望む大パノラマが広がる。
「びゅうぅぅるるぅぅッ!!」
山頂へ吹くひんやりとした山風を受けながら、さっそく売店で購入してきた缶酒で《酒ゴング》を鳴らし、鋸山全体にこだまさせる。
♪どんなに高い鋸山からも、
見えないボクの福知山──
……思わず懐郷する大自然育ちのカリスマジュンヤは、
展望台ではお馴染みの『100円望遠鏡』で浜金谷を眺めてみたり、
子供のように、イカは自分の顔色と同じくらい黒い『炭ソフトクリーム』を食べてみたり、
私も、山頂に住む〝先輩〟に癒されつつ、メンバー各々が1つ目の観光を愉しむことができたのだ。
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鋸山を下山した私たちが次に向かったのは、カリスマジュンヤの希望する〝海で泳ぎたい〟がおそらく叶えられるであろう『金谷港』であった。
「うおぉぉおぉぉあぁぁっ!! 海やあぁぁ!!」
太平洋を目の前にしたカリスマジュンヤが咆哮する……が、ここは近くにフェリーなどが停泊するだけの〝ただの港〟なのだ。
〝海で泳ぎたい〟が彼の希望だったのだが、この時の関東圏はまだまだ肌寒い4月。カリスマジュンヤの大好きな沖縄ならまだしも、さすがに水温を考えれば足を入れる程度で満足でき……
「♪うーみッ!! うーみッ!!」
「♪う~み~イェイェ~イ~」
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
海を前にして、
彼には〝季節〟の概念など無いのだ。
〝海水浴サイコ──ッ!!〟
波音でよく聴こえなかったが、おそらくそう叫んでいたのだろう。
その光景を、私とイカを含むまわりの観衆はまるで〝入水自害志願者〟でも見るかのような眼差しでハラハラと見守っていた。
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「わっ!! アレ何や!?」
海水浴も無事に終わり、最後に私の希望だったフェリーでの『クルージング』を前に、船着場近くにはいわゆる〝カップルの聖地〟的なオブジェがあった。
私たちには全く関係のないオブジェだが……せっかくなので、イカとカリスマジュンヤを並ばせてみた。
「なんや、これどうすんねん味論?」
「イカはんとココに2人で立てばええんスか?」
「そうそう、そのまま手を握り合って鐘を鳴らしてみようかー」
「リ──ン、ゴ──ン……」
気色悪ッ……
いや……いかがであろう、今回の観光の目的ウッ……私たちはこんなにオェッ……仲がオェップ……良いのが十分に分かって頂けたと思うので、あえて私がこの中に入るのは遠慮しておいた。
そんな事をしているとフェリーの出発時刻となり、船の中へと入ると甲板にある〝外呑み席〟に陣取った。
行き先は、対岸にある神奈川県の三浦半島にある『久里浜』。
座って間もなく、船がゆっくりと動き出した。
〝ブォォォォォォン……〟
「あばよっ!! 浜金谷!!」
船の汽笛と共にフェリーが金谷港から遠ざかっていく。
ちょっぴり寂しさもあったが、それを優しく見送る潮風に吹かれつつ、フェリーでの酒盛りを始めるのだ。
いいなぁ……
この『ハイリキ』の缶酒、エンジン音のBGM、ほのかに漂う軽油のにおい──。
大型船での酒盛りは、船揺れの効果も相まってすぐ酔ってしまうのだが、大海原を眼前にゆっくりと酒を飲むロケーションは、下手な酒場で飲むよりずっといいのだ。
『鯨ハム』
千葉房総は何といっても『鯨』が有名で、思わず売店で購入した鯨ハムを皆でムシャぶりつく。
「この東京湾の迷い鯨めッ!!」
ンまいッ!!
見た目から『ビーフジャーキー』の様に硬いと思いきや、わずかにしっとりとしており、分厚い生ハムの様な食べ応え。その味は、たった今フェリーで通過している『浦賀水道』の様にとても深く、野趣あふれる味わいである。
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「見えたでー!! あれが久里浜やー!!」
30分も経つと、うっすらと『久里浜』の港が見えてきたのだ。
〝よっしゃ酒場ナビ、そろそろ酒場行こうか!!〟
かくして、『酒場ナビ日帰り観光の旅』は久里浜の舞台へとつづく。
しかし、ただ単に〝観光は楽しかった〟で終るはずないのが私たち『酒場ナビ』なのだ。
そして次回、いよいよ対岸の『久里浜』の酒場に向かったのだが……
そう、
いつもの『酒場ナビ』が起こるのである──。
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