浅草「御来屋」裏浅草?奥浅草?ホッピー通りでは物足りない方はこちらの記事をどうぞ
『浅草』
「浅草寺」、「合羽橋道具街」などがあり
東京の観光スポットを代表する街で
海外の方にも人気がある東京下町だ。
そんな浅草にも勿論名酒場はいくつも存在し、なかでも大人気などが
「ホッピー通り」である。
昼から呑める酒場が何店舗もある通りで
ここに行けば、まず”スベる”事はないであろう。
初めて浅草で呑む人や外国人にも人気で
言わば『浅草酒場初級編』だ。
『浅草酒場中級編』になると
少し通な酒場がオススメである。
そして今回紹介する酒場が
いよいよ『浅草酒場上級編』だ。
浅草駅から浅草寺を越えて、もう少し歩くと
浅草三丁目までやってくる。
そこに今回紹介するディープ酒場が・・・
先ほどの繁華街とは打って変わって
閑静な街並みに変わってしまった浅草三丁目の街。
そんな街でぽつんと赤提灯のアピールが。
「御来屋」
なんと読むのか分からない店名・・・
店の前まで来てみてようやく分かった。
「みくりや」
渋い外観とは裏腹になんとも可愛い店名である。
浅草駅からここまで歩いていて良かったと思わせてくれる渋い外観。
今回も〔酒場センサー〕は平常運転だ。
ちなみにもう少し歩くと南千住の「ドヤ街」や「吉原ソープランド街」がみえてくる。
早速〔暖簾引き〕を敢行し、店内へライドオン!
・・・
と思われたのだが
「すんません、2人いけますか?」
「・・・このあと予約入っててねぇ~ごめんねぇ~~」
なんと入店出来ないと言う非常事態。
ちなみにこの辺りの〔保険酒場〕は
全くリサーチしていなかった・・・
焦るオレ・・・
乾くノド・・・
そして何より一番気になったのが
「ホンマに予約入ってるんかなぁ~・・・」
という疑いの気持ち。
何故この『疑心』が生まれたかというと、ママさんの返答の”間“だ。
「2人いけますか?」
の問いのあと、ボクの金髪&アロハシャツ&関西弁を察知したママさんは
明らかに違和感を感じるくらい空いた”間”で
「このあと予約入っててねぇ~~」
だったのだ。
しかしそうなってしまうママさんも無理もない。
初見客×金髪×アロハシャツ×関西弁の最悪の方程式なのだから・・・
しかも1名ならまだしも2名なので、扉の後ろにはもう一人同じような野郎がいるかもしれないという恐怖。
日本語が話せない外国人客と同レベルなくらい厄介なファーストインパクト・・・
この方程式は自分でもちゃんと自覚アリだ。
「1杯だけでもダメですかね?」
何度もこのような試練を酒場で受けてきたボクは諦めずにママさんに畳みかける。
というか本当に予約が入ってるかもしれないのに・・・
なんともしつこい客だ。
少しだけ戸惑うママさんに
カウンターの先輩がボクに声をかけてくれた。
「オレ席詰めるからさ。ほらここ2人座れるから呑んでいきなよ。ママ、良いよね?」
救世主現るっ!!
この場合〔救世酒〕とでも言おうか。
いや、今はそんな事はどうでも良い!
「失礼しま~す!!」
素早くカウンターに座らせてもらった。
早速酎ハイを注文し、店内観察してると・・・
壁に張られた渋いメニュー表・・・
注配道場!?
酎ハイってここらでは「注配」って書くん!?
グリーン・グリーンっ!?!?
っていうか”注配”のメニューめっちゃ多っ!!!
ツッコミどころは沢山あったが
なかでも一番気になったのが・・・
『三色割』
「三色割は注配の五、六杯分の強さなのでそのつもりでお飲み下さい」
と書かれた注意書きも更に気になる。
これは〔サカバー〕として無視する事は許されない。
・・・というか
この注意書きは「いじってくださいよ?」感を全開に感じ取れる。
プレーンの注配を呑みながら、ひとまず様子を伺う事にした。
お通しの玉こんにゃくが何とも久しぶりで嬉しい。
「三色割あとで攻めてみるか」
なんとなく呟いた発言を
隣の先輩方が聞き逃さなかった。
「兄ちゃん、三色割は絶対やめといた方がいい!」
「そんな強い酒なんですかっ!?」
「とんでもないぜ。冗談抜きでやめといた方がいいよ。」
「そんな事言われたら、もう頼むしかないですやん!!」
この一連の会話を聞いてたママさんも
先輩方の発言に”頷いて”いた。
「ここで三色割を呑んで、ぶっ倒れた人をオレは何人もみてきたよ。」
座敷に座ってらっしゃる先輩が背後から話しかけてくれた。
「先輩も呑まれた事あるんですが?」
「あ~何年も前にな。勿論オレもそのぶっ倒れた中の一人だよ。」
「・・・(ゴクリ)」
「モツ煮込み」
先輩の有難い経験談を聞きながら、煮込みをつまむ。
白味噌の主張が強くて、モツの臭みも全くなく、今まで食べた事のない味付け・・・
それでいて、味も濃くて
美味しいっ!!
卓上の一味をぶっかけると
更に注配を加速させる。
2杯目、あの「三色割」を頼もうと思ったが、先ほどの忠告にびびってしまってるのと
この美味しい煮込みを注配で流し込みたいという気持ちが重なり
ママさんオススメの「番茶割」をいただく事にした。
好みの味の煮込みを食べ終え
番茶割を呑み終えようとしたところで・・・
「先輩・・・やっぱりボク三色割を今呑んで・・・」
「止めときんしゃいっ!!!」
「・・・はい」
「お兄さん、今日結構呑んでるでしょ?今ここで呑むとひっくり返るからさ、また今度にしときなさい。」
「わかりました・・・」
「酔ってない時に呑んでみなよ。その時はオレも付き合ってやるからさ。」
「ありがとうございます。」
「ほらこのビールあげるから呑みなよ。」
時には厳しく、時には優しく
ボクを指導してくれる先輩・・・
「オレはもう帰るからさぁ~またここで一緒に呑もうよ~」
「是非とも宜しくお願い致しますっ!!」
常連さんと熱いハグを交わし
また「御来屋」へ来る事を誓った。
そして帰り際
「ほらお兄さん、これで一杯呑んでくれよ」
と
500円を置いて、店を出ていったのだ。
粋な先輩ありがとうございました。
そして「三色割」を止めてくれてありがとうございました。
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「兄ちゃんら、花火大会見にいくのっ?」
うわっ!
いつの間におったんや、全身Supreme姉さんっ!!!
いきなりの出来事に少し困惑したが、話を聞いてると
この日は『足立区花火大会』が開催されてるとの事だったので
急遽花火を見に行くことにし、店を出た。
最後の最後まで「三色割」の正体が気になったが
ママさんにはあえてどんな酒かは聞かない事にした。
「絶対にこの酒は呑まなくてはならない」
「いつか必ず交わうはずだ」
と感じ、それまでの楽しみにしておこうと思ったからだ。
2019年夏、最初の花火大会
もしあの時、御来屋で
殺人酒「三色割」を呑んでたら、酔い潰れて花火を見れてなかったしれない・・・
『注配道場 御来屋』
次こそは「道場破り」やり遂げてみせます!!!
御来屋(みくりや)
住所: | 東京都台東区浅草3-25-2 |
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TEL: | 03-3875-0626 |
営業時間: | 17:00~23:30 |
定休日: | 不定休 |