静岡「多可能」太田和彦酒場巡り その2
静岡の夜は更けて
旧交を温めに訪れたのは
大衆酒場 多可能
こんな都会にあるのか・・・
大正12年創業という
もうすぐ100の年輪を刻む酒場は
東京でいうなら
銀座の一角かのような場所に
アンバランス
に佇んでいた
多に可能でタカノと読む
主の苗字が高野
昔は三文字の屋号が好まれたと聞く
この当て字に歴史が伺える
店内は賑やかだ
飴色に鈴なりのお客さん
名店でよく見る風景だが
この店独自の
何か
を感じる・・・?
花だっ!!
店の
ポイントポイントに
生け花がある
なんとも
女性的なこの演出が
他と一線を画すのであろう
癒してきやがる・・・
癒しと言えば
カウンターの奥
ココを見たくて見たくて仕方なかった
この
黒い木札の品書きの並び
棚に行儀よく並ぶ酒器たち
美しい・・・
酒場百景に加えさせて頂こう
出たッ!!
4代目のススムさんっ!!
カッコいい・・・
太田和彦さんに褒められてから
剃れなくなったという
髭が素敵だ
「いらっしゃい」
声も好きだ・・・
日本三大ハンサム店主
の一人にさせて頂きます
そんな
魅力しかないカウンターで
僕を待ってくれていたのが・・・
ヨシナガ君
以前
という記事でご登場頂いた
静岡在住の僕の酒友だ
「ようこそ多可能へ」
その口調には自信しかなく
このカウンターに座れた時点で今日は勝ちだね
という表情で
流し目をきめてきやがる
頼もしい・・・
静岡県でつくった
静岡県だけで呑めるビール
静岡麦酒
で酒ゴング
富士山の雪をイメージした
クリーミーな泡の口当たりが堪らない
お通しの
茹で落花生を噛みながら
一応
お品書きを拝見
一応といったのは
いの一番
に頼みたいモノが決まっていたから
「あのっ 生シラスありますかっ?」
生シラスは
あったりなかったりするそうで・・・
「すいませんね 今日は無いんですよ・・・」
ススムさんは仰る
間髪おかずヨシナガ君が
「カツオとシメサバ下さい」
と放つと
安心なさい
という表情で流し目をきめてきやがる
頼もしい・・・
御前崎港であがるというカツオ
ムホッ!!
カツオの味が濃いっ!!
ドッシリとした歯ごたえの後
旨味が口中に広がる・・・
高知のより旨いんじゃないだろうか・・・
知らんけど・・・
以前
大石商店で静岡のカツオは食べ損ねていたので
喜びもひとしおだ
おっ!!
シメ加減名人・・・
脂がのって
そもそも旨い鯖が
最高の酢の塩梅
という魔法をかけられ
極上の逸品に
多可能なら
ブルーギルを持ち込んでも
一級品に仕上げてくれるだろう
ヨシナガ君・・・
あなたの笑顔に
何度助けられただろう
ありがとう
ありがとう
そういや
太田和彦さんが多可能の
〆アジ
を絶賛なさってたな
鯖とカブってもいいのだが・・・
ココはアジフライだろう
僕は
を 開催するぐらい
コイツが好きだ
まずは
ソースも醤油もかけずに
シャクリと一口
めちゃくちゃ旨い
この鯵自体が調味料だ
とは言え
ソースとカラシを絡めて
もう一口
当たり前だが
さらに旨い
静岡麦酒が止まらない・・・
ヨシナガ君と
昔話に花を咲かせ
キャッキャキャッキャとやっていると
重鎮登場
3代目の
トシアキさんっ!!
この柔和な雰囲気と
おっとりとした声が
酒場を優しく包んでいく
お元気そうで
嬉しい
その時・・・
ふと思った
3代目・・・?
4代目・・・?
100年の歴史・・・?
言葉にするのは簡単だが
この方たちは
受け継ぎ
絶やさず
繋げて
こられたのか・・・
凄いな
萩錦の
お燗を貰うと
酔いが加速しだした
口数も多くなる
「人生で受け継いだことなんてあるかっ??」
「受け継ぐことから逃げてただけやろっ!!」
「絶やし絶やしの僕でございますっ!!」
「ちっちゃくなって あのお燗器に入りたいですっ!!」
「4代目の娘さんと結婚したら 僕5代目の権利得れますよね?」
「酒場の修行させて下さいっ!! テレワークで」
お店の方への尊敬か・・・?
なんとなく自己嫌悪になったのを隠すためか・・・?
よく呑んだ
沢山喋った
行儀がよくない僕を
ヨシナガ君は
上手に操ってくれた
帰り際
ヨシナガ君は
「ご報告」
と 言ってきた
何を改まってと
キョトン
とする僕に
「今度 結婚しやす」
と
ここにも
繋げようとする
男が一人
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静岡「大石商店」ここが最強の呑める魚屋だっ!!
多可能(たかの)
住所: | 静岡県静岡市葵区紺屋町5-4 |
---|---|
TEL: | 054-251-0131 |
営業時間: | 16:30~23:00 |
定休日: | 日曜・祝日 |