丹波口(京都)「株式会社橋本酒店」”はんなり女将”と”はんなりオッサン”が居る酒場
5月ゴールデンウィーク。
ボクはゴールデンウィークを利用して
地元京都福知山へ帰省予定だったのだが・・・
せっかくなので、京都市内をぶらついてから福知山へ帰る事にした。
久しぶりの京都駅。
京都駅から歩いてすぐにある「第一旭本店」、「新福菜館本店」は
相変わらず仲良くこの行列っぷりだ。
大学生時代に京都駅前の七条通り沿いに
当時一人暮らしてた筆者はよくこの2つのラーメン屋に通ったものだ。
そしてその行列っぷりより遥かにびっくりしたのがこれだ。
ラーメン屋向かいの道路を挟んですぐにある「崇仁新町」というコミュニティースペース・・・
まさに外国人観光客の為に作られたと言っても過言ではないスペースだ。
イベントも開催されてるようなので、ここはゆっくり後日調査しようではないか。
そして今回訪れる予定の朝から呑める酒場なのだが・・・
以前イカ氏に
「ジュンちゃん、京都住んでたんやんな?〇〇って酒場知ってる?」
「あ~〇〇って酒場、地図的に結構近所に住んでたはずなのに・・・知らんっすねぇ~・・・」
あの時の状況といえば、〔サカバー〕としてかなりの恥っぷりだった。
必ず近々その酒場へ訪れようと心に決め
今回京都へやってくるタイミングと合ったので
その酒場が営業してるのを確認し、七条通りをひたすら西へ歩いた。
午後12時すぎ。
晴天に恵まれ、「七条御前交差点」までやって来た。
この辺りは
当時京都に住んでた時の行動範囲内で、よく覚えてる場所だった為
そんな街に朝から呑める酒場があるなんて、半信半疑だった。
Googlemapを頼りに
目的の酒場を探してると・・・
ババンっ!!!
いきなり目の前に現れたこの佇まいに
言葉を失った・・・。
「株式会社橋本酒店」
「七条御前交差点」からすぐで
しかも通り沿いにあるので、この辺に住んでる方なら逆に知らない方が難しいくらいの場所だ。
当時はまだ大学生で〔酒場センサー〕を身に備えてない時期だった為
見逃していたのであろう。
とにかく京都で昼過ぎからこんな渋い酒場で吞める日が来るとは思ってもなかったので
いつもよりやや興奮気味で〔エアー暖簾引き〕を敢行した。
昼の12時過ぎという時間にも関わらず、店内の立ち飲みスペースはほぼ満席状態であった。
やはりどこの街にも
昼から呑んだくれる人は居るんだなと思いながら
スペースを詰めてもらい、先輩方とご一緒させていただいた。
缶ビールや缶チューハイは冷蔵庫からセルフで持って来て、店員さんに自己申告で伝えてから呑むシステムで
ビールサーバーもしっかり準備されている”本格派角打ち“である。
日本酒も1杯300円~(量半分値段もアリ)で呑めるので、日本酒好きには堪らないシステムであろう。
「橋本酒店」は角打ちなので
基本的なツマミは乾きものになるのだが・・・
店頭には多数の手作りおかずが
ほとんど160円で売られてるので
ツマミには困らないし、リーズナブルな角打ちである。
まずは大好きな焼酎ハイボールの缶と
丸大食品の「ゴールデンウインナー」で京都の先輩方と一緒に〔酒ゴング〕を鳴らした。
関西人なら分かる
子供の頃、実家の冷蔵庫には
父の晩酌のお供として毎度絶えずに居たあのウインナーである。
腹ペコカリスマジュンヤ少年は当時、父と母の目を盗んで
このゴールデンウインナーを喰いまくったせいで
父のおつまみ事情を困らせた夜が何度かあったのを思い出した。
恐らく筆者と同じ過ちを犯した過去がある人は結構居ると考えてる。
ちなみにこのゴールデンウインナーは
店主さんが丁寧に”むいて”くれるので、不器用な方もご心配なく。
せっかくなんで店頭のショーケースから160円の手作りお惣菜も頂いた。
「ほうれん草の胡麻和え」
少年時代は父のゴールデンウインナーは沢山盗んだが覚えがあったが
このほうれん草の胡麻和えが冷蔵庫にあっても、全く興味を持たなかった。
しかし今ではどうだろうか・・・
この手作りほうれん草の胡麻和えが心の底から最高に美味しい思えるのだ。
「筍の明太子和えときゃらぶき」
筍なんてものはなかなか食べる機会が少ないので
そのまま出されただけでも嬉しいのに、それを明太子で和える事によって、最高の一品に仕上がり
正直ここ最近で食べた和食の中で一番美味しかったかもしれないレベルだった。
きゃらぶきに関しては
こちらも懐かしい味で、天気が良いのでこれと塩おむすびを持ってピクニックにでも出かけたいなぁ~なんて思ったり思わなかったり。
京都らしく
【和】で統一された本日のツマミラインナップ。
この惣菜たちをお作りになられたのは女将さんらしいが
どれもレベルが高くて、角打ちツマミのレベルを超えてた。
「橋本酒店」は角打ちなのだが
キャッシュオンではなく、このように席ごとに食べ飲みしたモノをチェックされていて
後払いシステムなのである。
このアナログな感じなので
実際ツケ忘れがあるらしいが
そこは常連さんの自己申告に助けられてるみたいである。
京都の先輩方に紛れて
“ゆる〜く”呑んでると・・・
店主さんが丁寧にこの店がテレビ取材を受けた時の事を話し始めてくれた。
「この付箋の貼ってあるページがな、うちの店の特集なんやわ。テレビ出てから兄ちゃんみたいな若い子が来るようになったわ〜。」
“はんなり”とした優しい京都弁で
丁寧に説明していただいた。
「このカウンターでな、あの中村静香ちゃんも呑んだんやで〜。あの子ものすごい呑むから好きやわ〜」
中村静香さん・・・
京都出身のアイドルと言えば、やはり代表的なのは”はんなり”の代名詞でもある安田美紗子さんであるが
中村静香さんも負けてはいない。
それに『酒好き』ときて
調べてみると年齢もボクと一つしか変わらない。
静香さん・・・
どうやらボクは恋をしたかも知れないです。
もし今〔酒場の神様〕によってなんでも願いが叶うのなら・・・
静香さんと一緒に昼から「橋本酒店」で呑んで
ほろ酔いになったところで・・・
「ジュンヤぁ〜!次の店いくでぇ〜〜!」と
“はんなり京都弁”で強引にハシゴ酒に付き合わされたい。
今は亡き「大杉漣」さんも来られてたみたいで・・・
「ここは初めて来たん?」
間髪入れずに次は隣で吞んでらっしゃった先輩が話しかけてくれた。
「あのカウンターで吞んでる人たちはほぼ毎日おってな、ここはオープンと同時に満員になるんや。
だからオレはちょっと時間をずらしてから来るんやけど・・・それでも朝からずっと吞んでる人もおるから
なかなかあのカウンターで吞む事が出来へんわ~(笑)」
話を聞いてるとどうやらカウンターで吞んでる人は常連組で
「橋本酒店の1軍」との事だ。
そんな選ばれし、1軍の皆様なので
こんな見た事ない金髪の若手が絡むもんなら・・・
事故になりそうだ。
しかしここは
“はんなり”京都タウン。
果敢にもカウンター席へ乗り込んでみる事にした。
嫌な顔されると思いきや、全くそんな事なく
皆さん物凄く社交的だった。
よく「京都人は腹黒い」と言われるが
実際のとこはそんな事は全くなく、皆さん親切で良い人ばかりである。
「橋本酒店」で吞んでる先輩方は皆“はんなり”オッサンだ。
「先輩も早く1軍になれたらいいですね。ちゃんと毎日朝から真面目に呑みましょう!」
そう先輩に”偉そうに”アドバイスをさせていただいた。
先輩方から更にここには書けないような色んな裏話を聞かせていただき
楽しい時間を過ごしてると・・・
小さくてチャーミングな女性が店に入って来た。
この方もよく来られる「橋本酒店1軍」のメンバーさんであろうか・・・
と思いきりゃ、そのまま店員として働き始めたのだ。
聞くところによると
どうやら女将さんとの事だ。
「さっき髪の毛切ってきたんやぁ~べっぴんさんになった~?」
髪を切ったばかりの女将さんは自信に満ち溢れてた。
男ばかりの店内を盛り上げる紅一点の”はんなり”な女将さん・・・
先程食べたお惣菜がとても美味しかった事を伝え、上機嫌になったところで・・・
京都が誇る”はんなり女将さん”と酒場 de 2 Shot!!!!!
カメラのシャッターを押す前に
「ちゃんと綺麗に撮ってやぁ~」と照れながらもしっかりキメ顔の女将さん。
このサービス精神旺盛な性格・・・
『京都美人』とはまさにこの女将さんの事だ。
京都観光の際は
金閣寺、清水寺、鴨川・・・などもありですが
酒吞みの方は是非とも観光感覚で「橋本酒店」にも寄ってみてください。
と言う感じで
本来ならここで記事としては締めときたいところだが・・・
この日短時間であまりにもドラマがあったので
もう少しだけ書かせて頂きます。
「また麻雀で負けちまったよっ!クソっ!!!」
この先輩は朝から「橋本酒店」で吞んで、それから雀荘へ行き
また「橋本酒店」へ戻ってくるという生活を繰り返してるみたいで・・・
酒癖が悪いのもあいまって、この辺ではほとんど店が”出禁”みたいだ。
そんなおやっさんにも「橋本酒店」の皆さんは優しく接する・・・
いや、ネタにしてる感じが存分に感じられたので
やはり京都人は腹黒いかもしれない・・・
株式会社橋本酒店(かぶしきかいしゃはしもとさけてん)
住所: | 京都府京都市下京区西七条南中野町48 |
---|---|
TEL: | 075-313-3836 |
営業時間: | [月~土] 9:30~18:30 [日・祝] 9:30~18:00 |
定休日: | 2日・12日・22日 |