和田岬「淡路屋」絶滅危惧種!!幻のだしソースたこ焼きを求めて 完結編
先日
出汁ソースたこ焼き
を求めてさまよう記事を書いた
今回は
その完結編
ここまでのエピソードを
ご存知ない方は
是非ともこちらから
読んで頂けると幸いです
↓
イニエスタで話題になった
Jリーグヴィッセル神戸の本拠地
ノエビアスタジアム神戸
があったり
三菱川崎の工場が
広がる
神戸の下町
そこに
僕の酒場巡りの師匠
と やってきた
「ヒャッホーイ!! 着いたでーー わだみさきーーー!!」
師匠が
いきり立ってらっしゃる
それもそのはず
探し求めていた
出汁ソースたこ焼きと
もうすぐご対面できるからだ
「師匠 ほんなら向かいましょか」
「ウェーイ!! 脳みそパ~ン!!」
「・・・」
三菱重工の
前を通りながら
お目当ての店を目指す
「師匠 ゴキゲンでらっしゃいますね」
「あたぼうやないかいっ!!」
「それは何よりです」
「今日を迎えるにあたって 昨日は大変やったわ」
「どういうことですか・・・?」
「父親に挨拶してんけどな」
「お父様にですか・・・? なんと・・・?」
「ワシが行っちゃったらパパさびしくなるでしょ」
「・・・」
「これまでずっと甘えたり わがままいったり」
「・・・」
「それなのにワシのほうは パパやママになんにもしてあげられなかった」
「・・・」
「・・・」
「そしたらお父様 なんて仰ったんですか・・?」
「とんでもない 君は僕らに すばらしい贈り物を残していってくれるんだよ」
「・・・」
「のび太くんを選んだ きみの判断は正しかったと」
「のび太の結婚前夜やないかいっ!!」
「ヒャッホイ」
「どんな意気込みで 今日をむかえてんすかっ!!」
「それぐらいの気合ってことじゃい!!」
「それは・・・ 何よりです・・・」
坂田利夫歩きで進む師匠と
おそらく
あそこだなと
と 思われる角を曲がる
出たっ!!
淡路屋
下町に佇む駄菓子屋さん
ここにあるのか
例のブツ・・・
外観が・・・
派手だ・・・
秘技 店を広く使う戦法
で 店頭にも駄菓子達が陳列されている
これは・・・
童心にかえるな
というほうが難しい
「おおっ!! 懐かしなぁ野球盤ガムやないかい!!」
「当りが出たらもう一回押せるんすよね」
「箱買いしたろかなぁ」
「おっ モロッコヨーグルやなかい」
「いいすね」
「ヨーグルトやなく ヨーグルってネーミングが素敵やん」
「可愛いですね」
「謎のシャリシャリしたクリームが 旨いねんなぁ」
「なんやこれ?」
「ペペロンチーノ味の 粉末スープってことですかね・・・?」
「こんなモン 駄菓子屋でどうやって使うねん」
「お願いしたら 紙コップにお湯入れてくれるんちゃいます」
「それを啜るっちゅうんかい なんかええなぁ」
「ソースせんべいにふりかけて 濃い味にしたり」
「イタリアンせんべいかいなっ!! なんかええなぁ」
「それこそ だしソースたこ焼きにかけたり・・・」
「邪道な事言うなっ!!」
「失礼致しました・・・」
「ワァオ 古いボードゲームまであるやないかいっ!!」
「レトロマニアがみたら 生唾モンですね」
「メルカリだしたら1万円でも売れんちゃうか」
「あると思います」
「アカン ワシちょっと中も見てくるわっ!!」
「お供致します」
「おおっ!! 中も懐かし祭りやないかい」
「ゾクゾクしますね」
「パッチンガムやぁーー!!」
「人の心を もてあそぶイタズラグッズ」
「こんなん もうすぐコンプラにひっかかんで」
「水風船やんけっ!!」
「リリアンって久々に目にしました」
「麻宮サキのスケバンヨーヨー450円てっ!!」
「ドンケツゲームってあったなぁ」
「ウチの姉ちゃん こどもトースターで遊んでましたわ」
「ひげくんてっ!!」
「訴えられなくてよかったですね」
「因みに ヒゲダンス自体が Mrボールド師匠が元ネタやからな」
「勉強になりますっ!!」
「ストーブの上に いちごあめてっ!!」
「あっ 師匠 たこ焼きのことお忘れではないですか・・・?」
「おぅおぅ せやせや」
「表にメニューありましたよ」
「いったらんかーい!!」
店頭に戻って
メニューを見てみる
凄い・・・
豊富だ・・・
クレープが20種類ぐらいあり
とりかわギョーザ
焼きビーフン
BLEサンドなんてのまで多種多様
駄菓子屋の粋を超えている・・・
ところてんの
理事長
ってどれぐらいの量だろうか・・・?
いやっ!!
そんなことより
出汁ソースたこ焼きは
本当にあるのか・・・?
あったっ!!
神戸たこやき
というメニューの下に
だし+ソース
の表記
「師匠・・・ とうとう見つけましたね・・・」
「ワシ・・ 興奮で震えてないか・・・?」
「大丈夫です しっかり地に足ついております」
「よっしゃっ!! ほな頼もか」
「はい」
「すいませーん お姉さーん」
お姉サマが
奥から出てきて下さった
「はいはい まいどです~」
「神戸たこやき5個入2つちょんまげーー!!」
「えっ・・・?」
「神戸たこやき 焼いてもらえまっしゃろか?」
「神戸たこやきでええの・・・?」
「モチロンや」
「これ・・・ マズイで・・・」
「・・・そんなことあれへん!! 5個入り2つちょんまげ!!」
「クレープのほうが美味しいでぇ」
「アカンっ!! 神戸たこやき食いたいねんっ!!」
「はーいー ソコまでいいはるんやったら焼きまひょ」
「おおきにっ!!」
「隣で待っといてぇ~」
「師匠・・・ ペペロンチーノの粉末も買うときますか・・・?」
「シバくぞワレっ!!」
淡路屋に
お酒は置いてない
近くの自販機で
缶チューハイを購入して・・・
淡路屋の
はなれ
の・・・
こんなスペースで
酒ゴングをしながら
例のブツを待つ・・・
「師匠 ハッキリと マズイ って言われたやないすか・・・」
「お姉ちゃん若いからや」
「旨さに 年齢関係ありますか・・?」
「当たり前やないかい!! 思い出の味となると別ベロじゃ」
「別ベロてなんでんのん」
「味覚は記憶じゃい 覚えとけっ!!」
「肝に銘じますっ!!」
なんてことを喋っていると・・・
「はーい 神戸たこやきお待たせー」
お姉サマが
ゲンブツを持ってきて下さった
これが・・・
探し求めた・・・
出汁ソースたこ焼き・・・
うん・・・
想像していたモノと
寸分変わらないシロモノだ
「師匠・・・ いかがですか・・・?」
「これやがなーーー!!」
師匠が
生き別れた息子と
何十年ぶりに再開したかのような
表情をしてブツを見つめている
「師匠 冷めるとアレですし 召し上がって下さいませ」
「まぁ 慌てなさんな 食う手順を思い出しとんのや」
「手順・・・? そんなんあるんですか?」
「おう 教えたるから お前も一緒に食え」
「仰せの通りにっ!!」
「まずは普通に1個食べるんや」
「はい」
「おおぅ 懐かしいのう」
「・・・なんか どっちつかずの味ですね」
「まぁ 思い出がなければ そんなもんやろ」
「出汁も薄くないですか?」
「そこやがな」
「そこ・・・?」
「元々はダシしか かかってへんたこ焼きにやなぁ」
「はい」
「ガキは ハッキリした味が好きやろ」
「はい」
「これにソースを塗りだしたんや」
「なるへ・・・」
「次は ソースをダシで洗って1個食うんや」
「洗うですとっ??」
「ほんなら 純和風のこのダシにやなぁ」
「はい」
「野蛮な西洋のソースが混じるやろ」
「はい」
「ほんで この野蛮汁を少しススるんや」
「・・・ジュルル」
「・・・」
「・・・なんとも言えない味ですねぇ」
「旨いまずいやなく 味の変化が嬉しいんや ガキの知恵や」
「なるへ」
「終盤は 惜しむように半分に割って食べるんや」
「惜しむように・・・ ほろ苦いですね・・・」
「半分にすることによって エエことがあんねん」
「エエこと・・・?」
「残り汁にやなぁ たこ焼きのカケラがブレンドされるんや」
「かけら・・・?」
「最後は そのカケラが混じった出汁を一気に飲んで〆るんや」
「ジュルルル・・・」
「・・・」
「なんか・・・ 哀愁を感じますね・・・」
「貧しさゆえの 努力やったんやろなぁ」
「時代ですね・・・」
「昔は 玉子入ってへんやろいうメリケン粉ばっかりの生地でなぁ」
「はい」
「タコの代わりに チクワ入っててなぁ」
「はい」
「15個で20円とかやったわ」
「安いですね」
「正直言うたら・・・ そんな旨いモンやないけどな」
「言うてまいましたやん」
「公園で遊んで コレで腹を満たして また遊ぶ」
「・・・」
「まぶしかったクソガキの頃の グルメな思い出や」
「・・・」
「大人になって 高級なフレンチにいっても・・・」
「・・・」
「星が3つ以上あるような 料亭にいっても・・・」
「・・・」
「決して色あせることのない 最高のごちそうだったことに間違いはないなぁ」
「・・・師匠 因みに」
「なんや?」
「星が3つ以上あるような料亭って どこいきはったんですか?」
「・・・」
「・・・」
「あれっ どこやったかなぁ~」
「・・・」
「魚民って星何個やったっけ?」
「ゼロじゃい!!」
おわり
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淡路屋(あわじや)
住所: | 兵庫県神戸市兵庫区笠松通7-3-6 |
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TEL: | 078-671-1939 |
営業時間: | 7:00~19:30 |
定休日: | 日曜日 |